原作が好きで舞台、歌劇どちらとも鑑賞済み。
やはりこの作品はキャラクターが年不相応な行動をしながら年相応の感性を持っているのが良い。とくに古川雄輝が演じたゼラは弱さと情けなさ全開で最高。ニコもかなり原作を読んで思い描いていたキャラクター像に近くて嬉しかった。
古屋兎丸作品特有のキャラクターであり、作品屈指の蠱惑的なキャラクターであるジャイボを演じた間宮祥太朗は言わずもかな美しい。しかし、彼のクールなニュアンスは自分が想像していたジャイボとはかなり異なっていたので驚いた。舞台版の無邪気で幼い狂気を想像していたためやや意外だった。
映画なのでライチや町のディテールが細かく綺麗なのは感動した。リアルなロボット感あるライチが映画にはたしかに存在した。
耽美な少年たちが油に汚れた町で、身勝手な信仰とともに朽ちていく様はどんな媒体で見ても美しい。
個人的には舞台が一番好き。