ねぎおSTOPWAR

提報者 ES細胞捏造事件のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

提報者 ES細胞捏造事件(2014年製作の映画)
3.9
あえて役者、スタッフ以外の実名は抜きますね・・。
2014年の日本での記者会見「STAP細胞はあります!」は記憶していますよね?
・・その10年弱前に韓国でES細胞論文捏造事件があったことを、この映画で知りました。

お話は事実ベースで、捏造が記者に告発される!・・というもの。

韓国に特有の《強い年功序列の意識》や《愛国主義》を背景に、一人の科学者の暴走。そして捏造疑惑報道をしたMBCが国民から激しく非難を浴びたのは事実。
パク・ヘイルが演じた記者のモデルとなった人物はよく頑張りましたね!
監督のイム・スルレ女史は、「その2005年当時にはまだこうしたメディアが残っていたが、今はそんな人はほぼいなくなってしまった」という主旨の発言をしています。今は日本と同じように、権力と金になびき自浄作用は期待できないとのこと・・・。それでも日本よりは政権批判的な映画やテレビはあるように見えますが・・w

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イム・スルレ監督は韓国で映像系の大学院を卒業してパリ第8大学 大学院において《溝口健二の研究》の修士論文を書いて帰国。1996年に長編デビューですから女性映画監督の草分けの一人と言っていいですね。
2001年「ワイキキブラザース」
2007年「私たちの生涯最高の瞬間」
などを監督して、今作の次が「リトルフォレスト春夏秋冬」でした。



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