きまぐれ熊

バーフバリ 伝説誕生のきまぐれ熊のレビュー・感想・評価

バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)
4.0
王の凱旋と合わせて5時間で初めて完成する大河ドラマと思って観た方がいい
前後編のアクションバトル映画..と捉えて観ると、特に前編が一般的なフォーマットに則ってないからストーリーの軸がわかんなくなる上、うそやんって所で終わるのでどうせ続きが見たくなる

前後編でやっと閉じる円環構造を見届ける物語だと思って観ると安心して楽しみやすい
解説があるかどうかで評価が大きく変わっちゃいそうな映画だな〜とも思った

平たくいうと王家そのものが主役のライオンキングとかドラクエ11と思えば全体を掴みやすいかも。バーフバリはめっちゃ強いけどバーフバリだけの為の物語じゃないとこがポイント
象徴的なのが代名詞とも言えるバーフバリの名前を民衆が連呼するシーン。
これを成立させるためにシナリオが綿密に組まれている訳だけど、スポットライトはむしろ神輿を担いでる側の心情に当たってる

だからみんな叫びたくなるのよね。バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!

序盤は事前設定の説明のないままに、メタファー満載のミュージカルシーンが連発されるので、笑ってしまう
ノリで押し通す愉快な作品に見えるけど、見返して観ると1回目笑えたシーンでもほとんどの要素にバチバチの伏線がばら撒かれていたことが分かる

で、じゃあ前編だけだとつまんないのかっていうと別にそんな事なくて、すげー面白い
めっちゃパワーがあって圧倒されるし、欧米式のスマートなアクションに慣れてると独特の空中姿勢に「なんだよそのポーズww」とか突っ込んでる間にガンガン世界観に引き込まれる
インドの価値観とか知らないなりにも入ってくるし、今まで感じたことがないタイプのカタルシスがある
主人公があまりにもおっさん顔でウケるwwwとか思ってるとドンドンイケメンに見えてくるのも困る

あとはヒロインがすこぶる気が強い上に超美形で見所たっぷりなのも特筆したいポイントだけど、
それとは別に強く言っておきたいのが、序盤でカッタッパに助力を申し出るやたらと強キャラ感のある商人アスラムカーンが王の凱旋には一切登場しないこと。なんでや。
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