くろねこヤマ子

私、君、彼、彼女のくろねこヤマ子のレビュー・感想・評価

私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)
4.1
孤独を纏ったある女の物語。
自室・車・彼女の部屋と移動する。

物語が成立する
ギリギリのところまで削ぎ落とした上で
これだけのものを作り上げちゃうなんて、
なんかとてもクレバーな感じ。

男性原理に基づいた映画では
表現し得なかった世界だと思う。

退屈な物語と並走して、
女性特有だったり
或いは女性に求められる
精神および肉体的美学に基づいた
思考、行為、処世術が
そこには描かれていた。

ひゃー上手いこと描くねぇ
って思った。
そして気付づいてしまう。

この作品に引っ掛かりや
違和感を感じるのであれば、
私たちは男性の視点で作られた映画を
多く見続けてきたし、
彼らの表現に慣れてしまった結果なのだと。

感覚のズレを楽しめば良いのだと思う。
だって本当のところの男女平等なんて
有り得ないんだから。

あと、あのキャットファイトに
快楽が存在するのかも、
当人たちにしか分からなさそうだもの。