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ヴィジットのytのレビュー・感想・評価

ヴィジット(2015年製作の映画)
3.5
500万ドルという製作費に対して、9800万ドルの興行収入を獲得した、”シックス・センス”に続くM・ナイト・シャマランの大ヒットホラー。シャマラン特有のホラーテイストに、人間ドラマや笑いが混じり合い、所々では介護問題などの社会派な訴え掛けもある作品。”ブラック・フォン”同様、子役の演技が光る素晴らしい作品だ。

[あらすじ]
→休暇を利用し祖父母の待つペンシルバニア州メイソンビルへと出かけた姉弟。都会から離れ、田舎では楽しい時間を満喫する……予定だった。その時までは…。優しい祖父と料理上手な祖母。2人は出会えた喜びを分かち合おうとするが……。

[レビュー]
・一括りにホラー映画といえない、様々な恐怖や問題を多角的に捉えている。一貫して祖父母に対しての恐怖意識は募る一方で、姉弟が感じるトラウマや母親との関係といった多方面での恐怖を絡めながら描く。所々に挟む弟のラップが作品に緩急をつけていて良い。というか微笑ましい。作中で姉がドキュメンタリー映画を撮影しPOVのようなスタイルなのも、恐怖が増すと共にドキュメンタリーの重複なのが面白い仕組みになっている。

・一方でホラー映画としてはそこまで怖くないといった印象。恐怖を感じるシーンは上記のように多々あるが、1週間の生活に少々ダレた気もした。同じ場所で生活、となると行動などはかなり限られるからね。ただラストはどんでん返しはある。個人的にはそうくるか!となった。流石シャマラン。

内容や展開もそこまで大きな起伏があるという訳では無い。いわゆる古典的な、Theホラー映画と言える。だが、ここまでの低予算に無名に近いキャスティングでこれほどの作品を作り上げるのは本当に流石としか言いようが無い。

・”3つの約束”が意外にも作中薄味だったことは少々気にかかる。予告編ではかなり推されていたから。シャマランは有名な”シックス・センス”があるせいか、どうしても大どんでん返しと壮大なホラーを期待されがちだが、今回は肩透かしを食らう人も多くいるのではないだろうか。

👉様々な恐怖に撮影方法と、それなりに面白かったが期待していた程では無かった。ただ、長々演出されるよりは94分と短い時間でまとめてくれて良かったのかな。本作を観てから、老夫婦が出るホラーが苦手になりそうだ……。
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