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ナショナル・シアター・ライヴ 2015「スカイライト」のchaooonのレビュー・感想・評価

3.8
シネ・リーブル池袋NTLive夏祭り2021でアンコール上映を鑑賞🌺✨
今年のラインナップで未見だったのは今作だけだったので、今年の大本命✨

アパートの一室で繰り広げられる登場人物3人の会話劇。
と言っても、キャリー・マリガンとビル・ナイの2人のやり取りがほとんど。
映画でも馴染みのある2人だし、先日衝撃を受けた『プロミシング・ヤングウーマン』でキャリーへの熱が上がっているので、彼女の舞台なんて期待値かなり上がる〜🤩

映画『めぐりあう時間たち』『愛を読むひと』の脚本も務めた劇作家デビッド・ヘアの戯曲。
初演はローレンス・オリヴィエ賞も受賞している作品。
今回は2014年にイギリスのウィンダムズ劇場で上演されたリバイバル版。
翌年にはBWでも上演されて、その年のトニー賞では最優秀リバイバル賞の受賞と、主演2人のノミネートもしている🏆✨

場面展開が一切ないので、3人が語る会話からその関係性や、過去の事実が次第に浮き彫りになっていくので、じわじわとその世界に入り込んでいく。
現在彼らが抱える問題から、再会を経て、過去の不倫騒動を回顧し、湧き上がる感情をぶつけ合う2人。
一口に不倫と言っても何やら複雑な関係性で、幸せだった2人と周囲の家族との関係性で絶妙なバランスを保っていて、ただ2人がいればそれでいいという関係とも違う。
時を経て、環境も状況も変わる中で、未だ惹かれ合う2人だったとしても、決してあの幸せの中に戻れはしないのだと、切なさが爆発する🥺

どうしてもキャリーのイメージって儚げで、可憐な女性が強く自分の中にあって、プロミス含めて色んな作品でそれを払拭してはいるんだけど、気づくと自分の中のイメージがまた元に戻ってて。
今回もまず声が思ったより低いんだなぁとか、落ち着いた雰囲気とかにまずびっくりしちゃった自分がいる。
過去の不倫を通じて、得たもの、失ったもの。
それを経て前進する強さと、あの頃の輝きは二度と戻らないんだって、失望にも似た彼女の陰り。
彼女の纏う空気感にどうしようもない愛おしさを感じてしまう🥺

それに対してビル・ナイの存在感がまたすんごい🥺
2014年上演舞台なので、当時60代半ばかしら?
キャリーの不倫相手にしてはちょっと年齢が上かな?とも感じてしまうけど、包容力と色気があるし、なんとも言えないキュートさがセリフや仕草から滲みでる💕
全然アリですね❣️
基本いけすかない感じの裕福な経営者で発言もそれなりなんですが、あんまり嫌味な感じがない。
1997年にも彼は同役を演じているとのことだが、17年を経て年齢がこれだけ上がっても同じ役を出来ると言うのは、演出家からの信頼が厚いんだろうな〜。
実際に幕間のインタビューでもそのような話が出てたし。

そんな2人の掛け合いはかなり濃厚でそれでいてウィットに富んでいて、引き込まれる会話劇ではあったのでしたが…ちょっと当日のコンディションが悪くて、多分一番白熱してるシーンでウトウトしてしましまして…😂
これもリベンジ案件で…🙄

それにしても、場面展開がないにしても、演技をしながら舞台上で料理を始めちゃうからびっくり!
包丁で刻むは、鍋でパスタは茹でるは、ソースを煮るは🔪🫕🍅
演技の妨げにならないのかしら🤔
逆に生活感が出て、リアルな芝居ができたりするものなのかしら?
何にしても器用だわ!




今年のNTLive夏祭りは今作とフランケンシュタインのベネ様怪物版の2本でフィニッシュ✨
フランケンシュタインは字幕なしの配信で去年観ていたけど、やはり大きなスクリーンで、日本語字幕が付くと、入り込み方が全然違った🥺
震えるほど感動しました😭
レビュー済だったので、追記とスコア付け⭐️
https://filmarks.com/movies/58376?tag_id=52034

冬もアンコールするといいな〜✨
今度こそヘレン・ミレンの『ザ・オーディエンス』が観たい🥺
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