シネラー

アクアマンのシネラーのレビュー・感想・評価

アクアマン(2018年製作の映画)
4.0
続編も公開中でもあるので、
その前作を劇場公開以来の再鑑賞。
DCEUとしては、
『ジャスティス・リーグ』にて登場した
アクアマンのオリジンを描く単独作だが、
その王道な物語と美しい海の世界観が
素晴らしい映像作品だと思った。

物語としては、
人間とアトランティスの混血である
アーサー・カリーことアクアマンが、
異父兄弟でアトランティスの王でもある
オームの地上侵攻を止めるべく、
女王メラとの旅を経て
自らの宿命を受け入れる内容となっている。
海底にあるアトランティスの美しい
異世界的なビジュアルは、
『アバター』のような異世界探検が
感じられる部分だった。
ジェームズ・ワン監督らしい
ワンカットによる激しいアクションも
見応えがあり、
シチリアでのブラックマンタとの
長回し戦闘でアクアマンとメラに
自然と場面が切り替わるのは良かった。
終盤での戦争に乱入して
能力を遺憾なく発揮するアクアマンは、
その戦闘の規模と相まって爽快だった。
アーサーとメラの宝探しとも言える
ロードムービーにもなっており、
アドベンチャー要素に富んでいるとも思った。
金ピカのアクアマンに
不恰好なブラックマンタも、
原作コミックからのデザインを
上手く見せていて好印象だった。

不満点を言えば、
水中が舞台であるが故に仕方ないが、
全体的にCG主体のアクションや
背景が目立って凡庸に感じられてしまった。
又、物語としても
ヒーロー映画としての側面が弱く、
国の王座争いという印象が強いのが残念だ。
加えて、アクション場面においても、
スローモーションの多用は
気になるところだった。
(その際の絵面自体は格好良い。)

豪快で派手さがあるDC映画であり、
壮大な海中で繰り広げられる
美しい映像は見事だった。
本作で仄めかされた事が続編で
どう展開されるのかも気になるので、
早めに続編も観に行こう。
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