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ロブスターのginnのネタバレレビュー・内容・結末

ロブスター(2015年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ラスト、私は「目を刺していない」or「女の元には戻らなかった」んじゃないかな、と思った。
そもそも、ナレーションはあくまで女性で「彼から聞いた話」を語っている形式になっているので、つまりこの映画の視点は少なくとも彼自身によるものではない。
エンドロールの後半では暗いまま波の音が聞こえるけど、ここも映画の一部であるとすると、この視点の持ち主は目が見えない人物なのでは?という推測もできるんじゃないだろうか。

この2つの条件に当てはまる人物として、やっぱり失明した彼女が真っ先に思い浮かぶ。

映像としてのラストのシーンはウェイターに水を注いでもらうところで終わるけど、それは彼女と彼の関わりがそこまで(席には戻って来なかった)ということになりはしないかなー。

無理して見出した共通点(薄情さ)ではうまくいかなかった。抑圧された環境で自然発生的に生まれたはずの恋愛でも、男は共通点を作ろうとした。けれども、それには失敗して逃げた、もしくは共通点を作ったものの破綻したということなんだろうな、と思った。
目を潰して寄り添うことが愛の証明ではないとしたほうが、それまでの「無理して作った共通点があってもうまくいかないよ」の流れに沿う気がするんだけどな、どうかなー。
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