めかぽしや

それでも僕は帰る シリア 若者たちが求め続けたふるさとのめかぽしやのレビュー・感想・評価

3.8
ずっと観たかった作品。

本作はクラウドファンディングで資金を集め上映する事ができたようだ。
上映館も少なく、なかなか見難い作品だけれどもシリアの紛争の状態を知るのに適している。

難民やISILなどが入る前のシリア。
2011年から中東各国で始まったアラブの春の波を受けシリアでも立ち上がった若者がいた。
サッカー、ユース代表チームでゴールキーパーとして活躍していたバセットと友人のオサマは反政府活動デモを撮影しネットで公開し民主化運動を広げていた。

血気盛んな若者たち。
始めは瞳を輝かせ、明るい未来を見つめ進んで行くが政府軍の介入により民主化運動が紛争へなっていく。
仲間達が1人死に2人死にバセット自信も銃弾をうけ向かう壁の大きさを知ったときその瞳は輝きを失っていた。

スクリーンに映しだされる街並みは瓦礫と化し
常に銃撃や砲弾の音が飛び交う。
何もできない国連軍。

元々少数のアラウィー派のアサド大統領を多数スンニ派の人々が募らせた不満からくる宗教対立からくる。


それに加え地政学的に見るとイスラエルとは常に緊張状態だったし、トルコ国境にはクルド人も多くいて昨今ではISILや多国籍軍、ロシア軍の空爆と泥沼化。
1番の被害者は難民となってドイツを目指している現状。

でも全ては第一次世界大戦終結後から始まることを思うと腹立たしい。


“世界よ、これがシリアの現状だ!!!”
バセットのメッセージが突き刺さる。
めかぽしや

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