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LION ライオン 25年目のただいまのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

3.5
事実に基づくサルー・ブライアリーのノンフィクション「LittleLion:LongWayHome」(邦題「25年目の「ただいま」 5歳で迷子になった僕と家族の物語」)をもとにガース・デイヴィス監督が映画化した感動作。
原題:Lion (2016)

インド、カンドワ(ヒンズー語圏)の貧民地区に生まれ育った5歳の少年サルー(サニー・パワール)は、兄とはぐれ停車中の回送電車内で眠り込んでしまい、1600㎞も東方にある西ベンガルのカルカッタ(ベンガル語圏)に運ばれ、そのまま家族と生き別れになる。
その後、オーストラリアのタスマニア島ホバートに住むスーとジョン夫妻(ニコール・キッドマン、デビッド・ウェナム)のもとへ養子として引き取られ、実の子同然に愛情深く育てられる。
メルボルンの大学にも通い、恋人ルーシー ( ルーニー・マーラ)も出来て、何不自由ない生活を送るサルー(デーヴ・パテール)だったが、自分を探しているはずのインドの家族(母、弟、妹)への想いが募のり、居たたまれなくなる。
幼い頃の記憶とGoogle Earthをつき合わせる地道な作業を始めてから5年後、ようやく自分の生まれ故郷を特定する…
家族と離ればなれになってから25年経っていた。

「ほんとうに、おかあさんを探した?」

Sarooサルー→Sheruシェルー(意味:ライオン)
ガネストレイ→ガネッシュ・タライ

~スー夫妻のもう一人の養子~
・マントッシュ( ディヴィアン・ラドワ):ストレス障害を持つ難しい子

インド社会が抱える貧困と子どもの虐待などの問題を背景にした真摯な作品。
実の子は持てたのに、養子を取って育てることを天命としたため苦しむことになるニコール・キッドマンが好印象。
フォルカー・ベルテルマンと
ダスティン・オハロランの音楽も美しい。
主題歌は「Never Give Up」(シーア)
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