(ラストシーンにどうしても触れたかったのでネタバレあります)
愛と夢を追う2人の決断と結末
2017年にアカデミー賞の美術・撮影・歌曲・作曲・監督賞を総なめにし、かつゴールデングローブ賞、日本アカデミー賞にも最優秀外国賞にノミネートされた等とんでもない数の表彰を受けた傑作「ラ・ラ・ランド」のレビューです。
主人公は、女優を目指すもオーディションに落ちまくるミア(エマストーン)といつか自分の店を持ち、大好きなジャズを思う存分弾くという夢を持つ売れないピアニストのセブ(ライアンゴズリング)。そんな2人が出会い、恋に落ちてゆく話。
ラストはそりゃあ賛否両論ありますよね〜、アカデミーの作品(脚本?)賞を逃しているのは理解出来ましたね。結論ラストも含めて、僕は好きですが、正直最初はまじか〜って気持ちになりました。
空白の5年間に果たして何があったのかは分からないですが、ラストのセブがピアノを弾くシーンはもう、本当にやり切れない気持ちでした。とにかく悲しくて涙も出ない。切ないって正にこんな感情だと。
全然ハッピーエンドではないじゃないか!という意見、多いと思います。
でも、この映画にとってのハッピーエンドとは何なのでしょうか?
2人がそれぞれの夢を叶える事が出来た、という点では、僕はハッピーエンドなんじゃないかなと思います。
ラストシーンでは、2人が上手く行った時のシナリオが妄想されます。ミアが有名女優になるという事は変わらないですが、セブはミアについていってるので、自分のお店は持てていないですよね。
現実ではミアと別れはしましたが、セブは自分の夢を叶えて、素敵なお店を構える事が出来ました。
そんなセブがミアを見つけて、お店に来てくれたミアを歓迎し、2人を繋いだ曲と言ってもいい「ミアとセブのテーマ」(曲名調べたらこれでした。涙) を弾きながら、セブは思い描いていたもう1つのシナリオを妄想します。切ない以外の何者でもない。
音楽と映像に関してはズバ抜けて凄いですね。この作品の映像の撮り方が凄く好みだったんですが、他の映画に比べて、引いて撮るシーンが多いですよね。
ミアとセブにフォーカスしすぎずに、周りの風景も含めて絵のように見える綺麗なシーンが多いです。
音楽はララランドのテーマとも言える「Someone in the crowd」やストーリーを通して流れる「ミアとセブのテーマ」などなど…最高。
音楽なしではこの映画を語れません。
エマストーンとライアンゴズリングの演技も良かった。ライアンゴズリングがカッコ良すぎる。
構成としてもミュージカル映画ではありますが、かといってストーリーを疎かにしていないので、ミュージカル系を苦手としている方でも全然楽しめるのではないかなと思います。
アカデミー賞をとるだけの事はあるなと納得の作品。観て良かったです。
ストーリー: 4.3
(ラストは切ないけど、そこも含めて好き。ストーリー自体はよくある恋愛系)
構成: 4.1
(ミュージカル過ぎず、良い構成だと思いました。
敢えてだとは思いますが、空白の5年間の説明がないのは、より切なくなります)
演出: 4.4
(ライアンゴズリングに惚れます。エマストーンも流石演技上手ですよね)
映像: 4.9
(やばいです。風景っぽく引いて撮るのがめちゃくちゃ綺麗で大好き)
音楽: 4.8
(明るい音楽も暗い音楽も全部良い。OST絶対聴きまくるやつ)