Chiyo

父を探してのChiyoのレビュー・感想・評価

父を探して(2013年製作の映画)
5.0
感情のグラデーション×色彩のグラデーション×メロディのグラデーション、そしてそこに散りばめられたメッセージ・・・・・
自由で純粋、繊細で温かい。ユーモアも忘れず圧倒的想像力と表現力!!!

ブラジルのインディペンデントアニメ界の新鋭アレ・アブレウ監督による長編アニメーション映画で、先日のアカデミー賞長編アニメーション賞最終ノミネート作品(南米勢としては初)。ちなみに最終ノミネート作品は、
本作「父を探して」「インサイドヘッド」「思い出のマーニー」「ひつじのショーン」「Anomalisa」
本作は次元が違うと感じました。
監督曰く「デジタル要素のない作品をどうしても作りたかった」と丸3年かけて完成させたという本作は、手作り感、コラージュ、色鉛筆、マーカー、ボールペン、アクリル絵具、クレヨン…そういうものがたくさん使われてる映画‧✧̣̥̇‧
高畑勲監督や宮崎駿監督にも影響を受けたと公言している監督。
長い独裁政権を経験し、経済成長に伴い如実となってきた貧富の差、傲慢なひと握りの富裕層の下で、搾取される人々。。
オリンピックやワールドカップ開催を目前にブラジルが抱える社会問題を、台詞やテロップなしで、少年の視線で見せる。
父を探す少年の旅がイコール=ブラジルが見てきた社会、そして未来に希望を込めて優しさいっぱいに描き出されている。

もちろんそんな政治経済は置いといても、子供にとって両親がどんなに大切な存在か、いなくなってしまったら生涯をかけてどんなに追い求めるか、、胸が打ちひしがれます。私も父親を追い求める気持ちは大人になってもなくなりませんから。
去って行く父親を佇んで見つめる息子…。・゚・(ノД`)・゚・。
去り際に父親が吹いた縦笛の音色をいつまでも探し求める息子。その音色は色になり、形になり、缶にしまい大切にする息子。。。
万人受けはしないかもしれませんが、私が求めていた作品だったのかも( o̴̶̷᷄⌓o̴̶̷̥᷅ )まさかこんな5.0で足りない作品にうっかり出会えるとは全く想定外でした!!!!!
イメージフォーラムで4月15日位まで上映してるようです!!!!!
これはもう是非スクリーンで観てもらいたい( o̴̶̷᷄⌓o̴̶̷̥᷅ )
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