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リグレッションのCinemanのレビュー・感想・評価

リグレッション(2015年製作の映画)
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ほぼ同じ頃に起きたやはり悪魔崇拝がテーマとなった実在事件の映画化Devil’s knotと連動を感じさせる作品。

あちらは未解決事件であることもあって、実録的な裁判劇になっていたのでかえってもっと怖かったかも..(まああちらの事件は実際に人が亡くなっているので...)

どちらも悪魔崇拝の実存を信じる集団ヒステリーについての話。
あちらでは操作中の証拠保全の杜撰さや街の人の思い込み、そして南部の街という背景によるティーンのパンクロックへの偏見など社会的容姿がかなり重視して描写されていた。
こちらでは当時正しいとされていた心理学者の療法「退行」の危険などには踏み込んだものの、捜査官の主観で物語化されているので、より内面的な精神劇に収束させていた感じ。
まあ事件の性質も異なりはするのですが..

あちらの映画でのコリン・ファースがこちらではイーサン・ホーク。この映画では捜査官の主人公の物語になっているので、より捜査官自身の先入観が捜査にもたらす影響という側面は描き込まれていて、その点は良かった。
ただ、イーサン演じる捜査官が、エマ演じる女の子の話術にハマっていく過程が浅かったのが惜しい。ここは物語的には、捜査官自身の私生活の状況なども出してきて彼女にはまり込んで行ってしまう心理劇が欲しかったところ。
でないとただのロリコンおじさんに..。
イーサンの若々しいパブリックイメージに頼りすぎたよね。

エマの凜とした美しさは素晴らしいけど、この映画にはミスキャストだったかな..
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