ひろ

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明けのひろのレビュー・感想・評価

3.9
ジョージ・ルーカスが生み出したSF映画の金字塔「スター・ウォーズ」、その本編9作目となるエピソード9。監督・脚本をJ・J・エイブラムスが務めて製作された2019年のアメリカ映画

ついにこの日が来てしまった
42年間も人々を熱狂させてきたモンスター映画「スター・ウォーズ」。その物語の完結の日が。「アベンジャーズ/エンドゲーム」を観に行った時と似た気持ちにはなったが、こっちは積み重ねた時間が全然違う。42年も想像を膨らませた産物を終わらせるなんて無理がある。しかし終わるのだ。楽しみでワクワクするより悲しいとすら思ってしまう。ファンにとってはその存在の大きさは計り知れないのだ

数々の映画を観てきた
スコセッシの「レイジング・ブル」のように映画史に残る美しいオープニングの作品はたくさんある。しかし、誰がなんと言おうとスターウォーズのオープニングが最強だ。お馴染みのオープニング・テーマからの文字のスクロール。何度見ても胸が高鳴る。むしろここがピークと言っても過言ではない。テンションが最高に上がる瞬間だ。これも見納めなのか

エピソード7からの3部作は新たな主人公レイの自分探しの旅である。そして帝国とレジスタンス、シスとジェダイの戦いに終止符を打つ物語だ。帝国やファースト・オーダーといった圧倒的な武力に、光る棒切れだけを希望に立ち向かうレジスタンス。絶望的過ぎる。常に絶望的な状況の中にある希望こそが、スター・ウォーズファンを導く道標となってきた。個人的にはダークサイド派だが、アナキン亡きいま、ダークサイドに希望はない。今回はジェダイを応援しました

レイと同じく自分探しで迷子になっているカイロ・レン。近づくやつ皆殺し。みんな嫌いと駄々をこねる子供。そんなレンとレイの関係性が物語を終末へと誘う。次から次へとスターウォーズ・シリーズへのオマージュがあり、詰めに詰めた内容になっている。少しテンポが早すぎる気はした。なんでもないシーンに無駄に時間を使う感じとか好きだったのに。完結しなきゃというエイブラムスの焦りなのか、計算なのか、間をもう少し使って欲しかったかな

ファンとしてはもちろんジョージ・ルーカスの頭の中にあったエピソード9を観たかった。エイブラムスという熱狂的なファンが作るとどうしてもオマージュが多くなる。ルーカスならオマージュなんかするわけないからどうなっていたことやら。しかし、サザエさんやドラえもんと同じで、原作者不在でも完璧なプロットの物語は勝手に進んでいく力がある。ミレニアム・ファルコン、C-3PO、R2D2なんか21世紀になっても存在感が変わらない。42年前の創造物が未来でも楽勝で未来なのだ。かっこいい

レイ役のデイジー・リドリー、レン役のアダム・ドライバーはどちらも頑張った。でもシリーズを支えた存在はルーク役のマーク・ハミル、ハン・ソロ役のハリソン・フォード、フォースになったレイア役の故キャリー・フィッシャーといった顔触れだ。姫と言われてすぐ思いつくのはピーチ姫とレイア姫ぐらいだ。偉大なる姫だ。キャリー・フィッシャーと共にシリーズも終わりを告げた。お姫様、安らかにお眠りください

もちろん、ディズニーという企業に利権があるので、金になるスターウォーズをやめるわけなんかない。すでに新たなるスターウォーズ計画は進行中だ。嬉しいような悲しいような。素晴らしき音楽を奏で続けたジョン・ウィリアムズもスターウォーズとはお別れ。彼がいたからこそ作品が輝いていたのだが、どうなることやら

まあいろいろ文句はあるけれど、結局いつだって踊らされるんです。だってスター・ウォーズと名が付いたら一口食べたいじゃないの。最後まで食べたいじゃないの。大好物なんだもの。本編が終わろうが、スター・ウォーズというスペース・オペラに終わりなんかないんです。だって実話だもの。サンタクロースはいます!って感じでスター・ウォーズを信じて生きていきます。フォースと共にあらんことを
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