◆その流れは不要じゃない?
脚本の中で2つ要らないと思われる部分がある。1つはC-3POのシス語解除の流れ。もう1つはチューイ奪還作戦だ。
まずシス語解除についてだが、そもそも記憶が消えないのであればC-3POのシス語解除のくだりは全くもって要らない。初めから3POが短剣の文字を読めばよかっただけ。
惑星ホスで出てきた寒冷地仕様のストームトルーパーを出したかったのか、スターウォーズ全作品に出演したアンソニー・ダニエルズ演じるC-3POに見せ場を作りたかったのか知らないが(後者であって欲しいところ)。
アナキンに作られて、パドメ、オーガナ夫妻、レイアへと受け継がれていったドロイドの終着点として、今まで特に役立って来なかった翻訳ドロイドが仲間のために身を犠牲にして、死んだ仲間たちの想いを紡ぐ方がよっぽど名シーンになったのでは?
そこから続くチューイ奪還作戦も不必要。そもそも輸送船が実は2隻あったというクソみたいな展開が気に食わないというのもあるが。あそこにチューイがいるとフォースで分かるのであれば、初めから別の輸送船に乗ってることに気づくべきでは?
デストロイヤーに侵入するというシーンを作りたかっただけ。その背景を考えるとエピソード4でのレイア奪還作戦を模したんだろう。
映画秘宝のインタビューでJJはレイとフィン、ポーの3人が冒険をする話にしたかったと語っている。ただ冒険をするにしては無駄なシーンが多すぎて、希薄な冒険になってしまっているように感じた。
◆フォースとは"直感"なの?もはや何でもありの能力に…
今作でフォースを持たないフィンまでもが、フォース(直感)を使い始めた。エピソード7からフォースのインフレが問題視されてきたが、それとは別に今作ではフォースの形骸化が目に余る。
説明が必要なシーンや、都合の悪いシーンを全てフォースで片付けようとしてるようにすら感じてならない。
フォースを持つもの同士が互いの位置を感じ取れるというのは、エピソード6でルークとベイダーがやっていたため、今作でも同様のシーンを入れるのは問題ではない。
百歩譲ってレイがチューイの居場所を感じ取れるのは許そう。しかし、フォースを持たないフィンは別だ。
また、フォースを使った治癒行為(BLEACHの織姫かよ)や、フォースチャットの進化版のテレポーテーションなど、フォースはもはや何でもありの能力になりつつある。
ライアン・ジョンソンが作り出したフォースチャットですら嫌悪感が強いのに、JJまでもが正史に対して唾を吐くとは…
◆最低限のロジックは守ろうよ
最終決戦において、詳細は忘れたがデストロイヤー艦隊をコントロールしているアンテナ⁇を破壊することで、あの膨大な数の艦隊に対抗できるというロジックを組むのは良い。それがあまりに都合の良いロジックだったとしてもだ。
そして時間を稼いでいる間にランドが仲間を連れてくるという展開も、まぁ2百歩譲って良しとしよう。これまで恐れていて立ち上がらなかった民衆が、なぜあの勝機のない戦いでは立ち上がったのかというロジックの無さには目を瞑る。
これに関しても、例えばレイをジェダイと持ち上げて、「伝説の男ルーク・スカイウォーカーの後継者が現れた」という広告に集められた民衆とかにするとか。やり方は色々あったように思うが。
話を戻す。エピソード6のエンドアでの戦いは、エンドアの星から出るエネルギーシールドを破壊することでデス・スターへの攻撃を可能にし、内部へと侵入し核を破壊することで皇帝もろともぶっ飛ばずことができるという作戦の元に話が進んでいた。
今作も似たようなプロットにしてはいるが、壊すべき装置の場所が変わっては作戦と言えるのか??それに真正面から艦隊に突っ込んでいくというアホさ加減も如何なものか。装置を壊すまでは隠密作戦にすべきだろう。なぜ真正面から突っ込んでいき、バレバレの作戦を遂行しようとし、最終的にフィンのフォース(直感)で何とかしようとするのか。理解に苦しむ。
◆総括
まだまだ言いたいことは山ほどある。
キリがない。。。
良かった部分が無いわけではないが、あまりにも粗が目立つ。
全てはライアン・ジョンソンの悪行のせいな気はするが…。