コマミー

ユアン・マクレガー 荒野の誘惑のコマミーのレビュー・感想・評価

3.3
【悪魔の囁きと共に】


※本作に関しては、内容からして日本で観ることは叶わないだろうと思ってましたが、新しく加盟した動画配信サービス「WATCHA」にて、鑑賞出来たので率直な感想を伝えたいなと思います。




"新約聖書"には、「荒野の誘惑」と言うエピソードがある。
"ヨハネ"から洗礼を受けた"イエス・キリスト"は、霊によって"広大な荒野"に送り出された。そこで40日間留まり、悪魔「サタン」から出された試み「断食」を受ける事となる。

ザッと「荒野の誘惑」と言うエピソードのあらすじはこんなとこだが、これを"映画的にアレンジ"した作品が本作だ。"ユアン・マクレガー"がイエスに当たる"ヨシュア"と言う流浪の聖職者を演じ、撮影監督には「レヴェナント」の"エマニュエル・ルベツキ"が担当している。
聖書のことは全く分からないのだが、自分は"宗教映画"をよく観る方だ。それでこそ、私がよく嗜んでいるテレンス・マリックの作品だって、宗教的な表現がチョロチョロと見受けられるし、スコセッシの作品は作品の中に宗教的な表現を入れる事で有名だ。結果的に自分は、よく宗教の匂いを嗅いでいる事が多い。

本作に関しては、やはり私にはサッパリな内容であった。ただ、ヨシュアが出会った"家族に降りかかるもの"が、その後の彼の"運命"に大きく関連する事は分かった。いわゆるここで言える事は、イエスに降りかかるあの出来事の事である。
だがそれが伝わらない理由は、"長回しのセリフ"、そして物語の振り方である。結局の所、本作は物語重視というよりも、ルベツキが撮影する"風景重視"の作品になっているのだ。
なぜ彼にこんな苦行を味あわせるのか?なぜこの家族はあんな目に遭わなければならないのか?が、聖書を知らない観客に対しての“説明にあたる表現"が足りないのである。
まぁ、ルベツキ信者である私にとっては、嬉しい作品ではあるのだが……。

海外の宗教映画は結局の所、馴染みが薄いので、日本にやってくる作品は限られている。そんな点では配信サービスの存在は大変ありがたい。そんな悩みなどお構いなしに、やってくる作品も多い。

この作品を見放題にしてくれたWATCHAさんには感謝してもしきれない。
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