一度目はなんにも分からんと無邪気に幸せな気持ちになった（眼鏡がなくて字幕がよく見えんかったのもある）、二度目の鑑賞でようやく映画のテーマに気づく。私の察しが悪いとか頭が弱いとかはその通りでいいけど、それにしたって、ドキュメンタリーの当初の趣旨やその題材であるイスラエルの背景をそこへ置いたまま、登場する人物が物語をどんどん突き動かしてどこまでもどこまでも行ってしまう至極のロードムービー、テーマに気づいたら決して楽しいなんてものではなかったけれど、正直映画を観ていてこんなに幸せなことはない。目の前で起こること在るものに、素直に身を任せながらカメラを回し続けるアヴィ・モグラビは最高の映画監督。