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グレイテスト・ショーマンのYYamadaのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
4.0
【音楽映画のススメ】
~ 音楽と映像の素晴らしき
   コラボレーション

◆作品名: グレイテスト・ショーマン
      (2017)
・作品のジャンル : ミュージカル
・楽曲のジャンル : オリジナル

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・貧しい家に生まれ育ち、幼なじみの名家の令嬢チャリティと結婚したフィニアス。
・妻子を幸せにするため努力と挑戦を重ねるフィニアスはやがて、さまざまな個性をもちながらも日陰に生きてきた人々を集めた誰も見たことがないショーを作り上げ、大きな成功をつかむ。しかし、そんな彼の進む先には大きな波乱が待ち受けていた…。

〈見処〉
①最も崇高な芸術とは、人を幸せに
 することだ——P.T.バーナム
・『グレイテスト・ショーマン』は、2017年に製作されたミュージカル映画。19世紀に活躍し「地上でもっとも偉大なショーマン」と呼ばれた実在の興行師、P・T・バーナムの成功を描いている。
・劇中で歌われるミュージカル・ナンバーは『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞の主題歌賞を受賞したベンジ・パセックとジャスティン・ポールが手掛けた9曲のオリジナル楽曲。主人公のバーナムを演じたヒュー・ジャックマンは、撮影時に鼻の皮膚癌の切除手術を受けており、ドクターストップがかかるなか、これらの楽曲を高いパフォーマンスにて歌唱した。
・本作の共演は、バーナムのビジネスパートナーとなるフィリップ・カーライル役に『ハイスクール・ミュージカル』のザック・エフロン、バーナムの妻チャリティを『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のミシェル・ウィリアムズ、曲芸師のヒロイン、アンを『スパイダーマン/ ファー・フロム・ホーム』のゼンデイア、歌姫ジェニー・リンドを『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』のレベッカ・ファーガソン。
・本作は「P.T.バーナムの経歴を美化しすぎている」「ストーリー展開が凡庸」など、批評家から厳しい評価を受けたが、優れた楽曲とハリウッド俳優の高いパフォーマンスに口コミが殺到し、ロングランを記録。サウンドトラックも全米ビルボードNo.1になるなど、興行面では、大きな成功を果たした作品となった。

②アフター「ウルヴァリン」
・本作主演のヒュー・ジャックマンは、
彼を国際スターに引き上げ、「最も長期でマーベルキャラクターを演じたギネス世界記録(のちにトビー・マグワイアとウィレム・デフォーが記録更新)」にも認定されたことがある、『X-Men』シリーズのウルヴァリン役を『LOGAN/ローガン』(2017)をもって卒業。
・注目されるヒュー・ジャックマンの「アフター・ウルヴァリン」第一作は、トニー賞を受賞したブロードウェイ・ミュージカル「ザ・ボーイ・フロム・オズ」(2004)や、主役のジャン・バルジャン役を演じた『レ・ミゼラブル』(2012)にて、多くの賞賛を受けた「ミュージカル」を選定。
・その作品は、ヒュー・ジャックマンがプロデューサーのローレンス・マークとともに構想から8年を要した本作。
・監督のマイケル・グレーシーは、かつてCM制作で一緒に仕事をしたことがあるヒューの提案を受け、本作が劇場公開映画の監督デビュー作となる。また、『ローガン』監督のジェームズ・マンゴールドがエグゼクティブ・プロデューサーに加わり、グレーシー監督をサポートするなど、ヒュー・ジャックマンの第2のライフワーク作品に旧知のスタッフが参集している。

③結び…本作の見処は?
◎: 19世紀のNYの街並みやミュージカルの舞台を縦横無尽に動くカメラワークによって、ミュージカル嫌いの鑑賞者も楽しめる映像構成となっている。とくに空中ブランコを行うゼンデイアの視点から映し出されショットは印象的で「楽曲」よりも「映像」を上位に評価したい。
◎: 本作のオリジナル楽曲はみなメッセージ性が高く、ハリウッド俳優たちの圧巻のパフォーマンスによってその魅力を増している。ミュージカルのイメージのないミシェル・ウィリアムズも素晴らしい歌声を披露している。
○: 演舞の面では、ゼンデイヤのキレキレのダンスが他者を圧倒。彼女の天性のスター性は、本作が最も現していると思う。
▲: ストーリーはごく平坦、感情移入出来るキャラクターもいないが、ミュージカルのジャンルでは致し方ないだろう。
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