やましん

ディバイナー 戦禍に光を求めてのやましんのレビュー・感想・評価

4.5
戦地で行方不明となった3人の息子を探すためトルコにやってきた父コナー。
第一次世界大戦の激戦地であり、異国での捜索は難航を極めるが、一筋の光の糸をたぐるようにコナーは真実に近づいていく。
彼が最後に見た戦争の真実とは。息子たちとの再会は叶うのか。
史実に基づいたストーリー。

戦争で失われた絆と心の再生の物語かな、ぐらいの軽い気持ちで見始めたら、自分的にど真ん中ストライクの作品だったんでビックリ!
ひたすら息子を探すのに必死なラッセル・クロウ演じる父親の愚直なまでの愛情が全編でビシバシ伝わってくる。
そしてトルコの黄土色の荒涼たる原野、そして青い海、都市部でのトルコ民衆の生活の息づかい、静かなピアノの調べが美しく、癒やしと優しさに貫かれていた。

出演者では、シングルマザーながらコナーを支える宿屋の女主人をオルガ・キュリレンコが好演。

戦争が身近な人を奪っていく悲しみと、戦争の虚しさ、親子の愛情の不変さを静かに描いた良作です。
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