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肉体の門のkoyamaxのレビュー・感想・評価

肉体の門(1988年製作の映画)
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生きづらい世界の中に立ち向かう女の生き様…!

敗戦直後の東京で娼婦として生きる女たちの姿を描くといことで、、

五社英雄劇場はひたすら濃く!熱く描かれて、、
女同士の激しい戦い。髪のつかみ合い、ビンタ張り合い、
壮絶キャットファイトが展開され、

今作もその期待を裏切りません。というか、直球です。

五社英雄の店に入って五社英雄味を味わう。
それくらいまっとうな五社英雄でした^^;


この時代に生きてきた事の哀しみと、いまできる事はこの仕事をすることだけ。と、状況的には暗い要素ばかりで、全体を描かずとも、生き抜く為の強さ、したたかさ、切なさがあり、そこから伺える戦後当時の風景がはっきりあります。

その風景、営みがとにかく過剰。
みんな激しく元気。
暗くて哀しい悲惨な状況なのに、笑える表現もあり、どんどん異常でパワフルな感じになっていく展開で、こちらも元気をもらえるというか、悲惨さを凌駕する圧倒的な生命力の方が印象に残ります。


逆にいうとテーマとそれをあつかう映像の割に、悲哀やエロさというか、劣情を煽る感じ、また陰惨な感じに直結していないような印象が残るのも不思議です。

物語のその先というか、その表現へ導く監督の美学自体に面白さのポイントがあるようなので、話が入ってこないくらいの、演出油強めで胸焼けしてしまう気持ちもわかります^^;

原作自体に宿る奥深さや悲哀もあるとおもいますが、全部込みで、ひたすら五社英雄味を噛み締める映画という感じでしたね。
堪能しました。

何度もリメイクされている話のようですが、、
舞台となった時代の空気というより映画制作時の世相が作品に反映されたりすると思うので、今現在でリメイクされるとしたら、全く違う話しになりそうな気がしますが、どうなんでしょう。
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