まーしー

シン・ゴジラのまーしーのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
3.0
『ゴジラ』シリーズ第29作。
巨大生物「ゴジラ」が東京に出没。第1形態から第4形態まで進化を遂げながら、徐々に攻撃力もアップしていく——。
次々に街を破壊するゴジラに立ち向かう人間の姿を描いたパニックムービー。

怪獣映画ながら、個人的に印象に残ったのは、ゴジラに立ち向かう人たちの動き。
日本の政治や行政システムを揶揄したかのような描写だった。
手続き重視の意思決定プロセスや前例踏襲主義、縦割りの組織文化など、政治家と官僚の言動をコミカルに描いていたように思う。

そのような中、長谷川博己が演じる主人公の官房副長官・矢口は、俯瞰的に物事を捉え、核心をつく発言をするなど、優秀な政治家という印象。加えて、不眠不休で国を守ろうとする熱意も伝わってきた。
また、アメリカの特使を演じた石原さとみも印象的。
敬語が苦手、外来語は英語の発音、そして隠さない野心など、その美貌も相まってキャラ立ちした存在だった。

多くの戦闘機や戦車、緊急車両などを使ったゴジラとの対決は圧巻。
ゴジラの破壊力や放射熱線の威力を前に、チームで立ち向かう人々の姿が描かれている。
ハリウッド映画と比べると映像のチープさを感じるが、戦闘機や戦車などのディテールにはこだわりが感じられた。

私は往年の『ゴジラ』ファンではないので、過去の作品と比較した感想は述べられない。
ただ、本作単体として、それなりに楽しめたことは確か。