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ピエロがお前を嘲笑うのsnowwhiteのレビュー・感想・評価

ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)
3.8
世の中を騒がせては喜んでいる天才的なハッカーがひょんなことから殺人事件に巻き込まれ殺されそうになり警察に保護を求める。捜査に当たった刑事はハッカーから事の経緯を聴取する。

事情聴取をしている体で物語が進み色々な事が徐々に明らかになっていくのを見てこの前に観たリュック・ベッソンの🎦ドッグマンを思い出した。



(ネタバレあります。)
ベンヤミンは子供の頃は何をやってもどんくさく目立たない弱々しい典型的な苛められッ子だった。憧れの女の子に話しかけるなんて無理!

長じてハッカーとして天才的な才能を現した彼はある集団に誘われる。自分たちの集団をCLAYと名付けた。
彼らはハッカーMRXを尊敬していた。MRXのように世の中に挑戦しようとハッキングをしかけて世間を騒がせていた。

かなり目立つようになった彼らは警察からも目をつけられるようになる。今のところ犯罪は起こしていないが世間を驚かせて喜んでいるだけなのかそれともその内何か事件を起こす集団なのか計りかねていたからだ。そこで優秀な女性捜査官が担当に指名される。彼女は離婚経験があり子供を産めない体だった。

ある日MRXがやって来て彼らの事を取るに足りない奴と馬鹿にした。自分達が憧れていたハッカーがこの程度であったことにがっかりする。

CLAYはMRXを見返す為に国家機密に関する情報にハッキングをかける。

MRXが起こした殺人事件の容疑者になってしまったベンヤミンはこのままではMRXに殺されると思い警察に出頭し、司法取引を持ちかけ代わりに証人保護を受けられる様に頼む。


(ここからはラストまで完全ネタバレあります。未見の方はご注意下さい。)



ベンヤミンの言ってる事は辻褄の合わないことが多く、ひょっとしたら仲間というのもいなくて彼の妄想が作り出した人格なのではないかと思えてくる。多重人格。

人格障害があるのなら(証言に信憑性がなくなるので)司法取引は出来ないと捜査官は言う。

証人保護が得られなければ殺されてしまうので可愛そうに思った捜査官が証人保護はコンピューターのデータ操作だとベンヤミンに教えてくれた。

(捜査官は子供が出来ないのでベンヤミンが子供の様に思えたのか?そんなに上手く行くか?この辺りがちょっと雑な展開で残念だった。)


(場面変わって)
まんまと逃げおおせたベンヤミンは船の上。CLAYのメンバーと一緒だ。勿論ハッキングをして証人保護ブログラムも手に入れた。

そこで種明かしがなされる。

(過去の映像)
追っ手が迫る中ベンヤミンは「自分が引き起こした事だから。」と自分だけが引き受けて仲間を逃がそうとする。

しかし、CLAYのメンバーは「俺たちは仲間だろ。」と逃げず一緒にどうしたらこのピンチを乗り越えられるかを考えてくれる。

そこで考えられたのが、わざと警察に捕まり保護を求める。子供を産めない等の問題を抱えた捜査官を指名し彼女にしか何も話さないと言う。なので彼女が担当捜査官に選ばれた。

そう、つまり何もかも仕組まれた物だったことが明かされる。

最初は多重人格を疑わせるどんでん返し。そして2度目には最初から全部仕組まれたものであったとのどんでん返し。

この映画はドイツ映画だが、この監督きっとハリウッド映画大好きなんだろうなと思わせる展開。過去のハリウッド映画から着想を得たと思えるような所がチラホラあったが面白かった。子供を産めない=同情して逃がしてくれるというのは流石に無理があるとは思うが。今後の健闘を祈る。(何から目線?)笑
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