エイプリル

ミス・シェパードをお手本にのエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

2.6

このレビューはネタバレを含みます

全然前情報なくジャケットとタイトルだけ見て面白そうだな〜と思ってみたら開始1秒でいきなり衝撃展開でビビりました。

これ原題が「the lady in the van」なんですが、邦題は個人的にかなり嫌でした。できんだろ、お手本に。いや、負傷者置いて逃げたからとか以上に日頃の態度がヤバすぎて…。
このシェパードという人の造形は非常に上手にできていて、妙に神に縋りたがるのも「不運によってこんな人生になってしまった」って信じてるからということも非言語的に示されていました。音楽が嫌いっていうのも終盤の展開に繋がってて良かったな。
ただあんまりシェパードの態度が好きじゃなかったこともあって、どんなに感動的なことが起きても「まああの時逃げなければこんなことになってないんですけどね」っていう感想が常に頭の中に浮かんでしまってきつかったです。それでも最後の最後にアランに本当の気持ちを吐露するシーンからラストまでは音楽と映像が非常に綺麗で感動しました。

ずっとアランが二人に分身してるみたいな映像表現が続くんですが、結局この映画は劇中劇なんですよね。アラン自身がシェパードを天国に連れていきたい、救いたいと思ったからこのお話を書いた、という設定で、物語の中だけではあるのですが見事にシェパードは昇天します。視聴者はその目撃者となり、アランの作戦に乗っかることになるという構造です。
このパターンの話は漫画でも一つ知っているのですが、「物語の中だけでもキャラクターを救済する」という展開がかなり好きなので、それだけでもポイント高かったです。
ただまあでもシェパードが全然好きになれなかったので十分楽しめなかったな…という感じでもありました。
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