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アバウト・レイ 16歳の決断の千年女優のレビュー・感想・評価

アバウト・レイ 16歳の決断(2015年製作の映画)
2.5
同性愛者の母を持つシングルマザーで、トランスジェンダーと分かった16歳の子供が男性名「レイ」を名乗って性別適合手術を検討しているマギー。レイの意志の固さに反してまだ戸惑いを払拭しきれていない彼女が、焦る子供や意見の対立する祖母、ある事情を抱える別れた父親の存在に迷いながら決断を求めらる様を描いたドラマ映画です。

女優として活動後に監督へ転身したイギリス人監督ギャビー・デラルが共同脚本のニコル・ベックウィズと共に作り上げた2015年公開の作品で、祖母にスーザン・サランドン、母にナオミ・ワッツ、子供にエル・ファニングとキーとなる役に実力派のキャストを揃えたことで話題を集めるも評価は伸び悩んで興行収入でも苦戦を強いられました。

トランスジェンダーが主題の作品のようで原題は"3 Generations"と、あくまでそれをフックに異なる価値観を持つ「三世代」の衝突を描きます。とは言え物語の核となるのが「実の父親」では前者はもちろん後者としてもピントがずれていて、キャストの存在感で成立を目指してはいるものの最後まで焦点合わぬままでは説得力は薄い一作です。
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