ハハハ... これね、何て言おうか、「莫大な金を掛けたスベリ芸」。アメリカ軍に大真面目に超能力の利用を目的とした部隊があったという実録を基にしたなんとも面白そうなネタな上に、出演者がめちゃくちゃ豪華。ジョージ・クルーニー、ユアン・マクレガー、ジェフ・ブリッジス、ケヴィン・スペイシーだって。むしろどうやったらこんな残念な作品が出来上がるのか、それこそ超能力でも使ったのではないか、いや製作中に使ったのは超能力じゃなくて映画に出てきたLSDかい?
このネタのどの部分が面白いかって、当然超能力というふざけたことに軍が真面目に取り組んでいたってところ。ところがどっこい、この映画はふざけたことをふざけたように描いてしまっていて根本がそもそも間違っている。この部隊の内実をそのまま真面目に淡々と描けば、その滑稽さに笑いが止まらなかったはず。いや、あるいはもっと突き抜けてコメディにしてもよかったかもしれない。そのどちらに振れることなく、とにかく全く面白くない。
さらにしつこくスター・ウォーズのネタを重ねてきたり、何とか観客に楽しんでもらおうとする努力があからさまで観ていて段々痛々しくなってきました。こんな部隊にお金を掛けていたことが無駄?いや、この部隊がアメリカ軍のメインなら困るけどいろんな可能性を検討しておくのは大事だからこういう部隊があったこと(今もこっそりあったりして?)は全然アリだと思う。この映画の製作費のほうがよっぽど無駄かも... そんな無駄金あるんなら私にわけてくださいな。何に使うかって?うん、老後の蓄えかな。って子供もおらんし貰えもしない10万円ばらまきのニュースを見ながら考える(ばらまきを否定しているわけではありませんので悪しからず)。
あと、あの場面の撮影だけのために砂漠に連れてこられた大量のヤギが気の毒。ヤギたちに幸あれ!