隠れた傑作『グローリー消えた腕時計』という映画を以前レビューしましたが、同じ監督、役者の本作もその時からチェックしてまして、やっと観れました。
やっぱり、凄い。
何が凄いって、ストーリーは、女教師が家賃滞納で差し押さえになってしまう家を守ろうと、お金の工面に淡々と奔走するだけなのだが、たったこれだけの事なのに画面から目が離せない。
女教師は何一つ失態を犯してないのに、夫や父親、高利貸しの男など周りの男が絶妙に皆クズで主人公の意図しない方向にどんどん転がって行く転落具合も凄いわけ。
『グローリー消えた腕時計』のように、ラストにあっという仕掛けを持ってくるのだろうか?と思ってたのですが、まさかあそこまでするとは…淡々と対処してきた主人公だけに驚愕のラストと言っても過言ではないかも。
人の物を盗むという罪を、あそこまで固執して生徒に問いかけてた彼女の代償は計りしれないだろうね。
『グローリー消えた腕時計』の主人公ツァンコが嫌〜な高利貸し屋のおっさん役で、逆に嫌〜な官僚役をやってたユリヤが、本作の主人公であり役柄の逆転も見所で面白かった。