あとくされ

イニシエーション・ラブのあとくされのネタバレレビュー・内容・結末

イニシエーション・ラブ(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

こういう最後の最後で認識が覆る系の恋愛作品を観るのははじめてかも。普通に騙される。楽しいのは事情を知ってなお、ひとつの恋愛の終わっていくプロセスが胸に滲みる。

また、この作品が描いてるのは女の怖さでもある。女の知らないところで子どもを作ってるのは男かもしれないが、女だって男の知らないところで男を作っていたりする。

この作品のバレにくさを支えているのは80年代という時代設定で間違いはない。ケータイも電子メールもインフラとして揃っていないものだから、互いにバレにくいままでいる。

この点はカセットテープというギミックが効いている。恋の始まりと終わりとでA面B面と切り替わるのも見事。
そしてバックで掛かる音楽がまたいい。ほんまいい。なのに古さを感じさせないのだ。古さと言えばケータイがないことの不便さなども当時の人の意識のあり方でもって見せてくれるから、映画を観ていて「うわぁ、不便そうだなぁ」なんていう不躾な意識を起こさせないでくれていて、それがまた良い。

しかし、前田敦子が演じている女性はかなり怖いね。
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