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実録白川和子 裸の履歴書のにゃんにゃんのレビュー・感想・評価

実録白川和子 裸の履歴書(1973年製作の映画)
3.8
曽根中生が苦手だからなんとなく敬遠していたんだけど、冒頭のメタな粉まみれから名作オーラがすごい。ほぼなりゆきで女優になった白川和子、女優としてのプライドだったりピンク女優の劣等感だったり、ビッグになりたい野望だったり普通の女の子として小さい幸せつかみたいというささやかな夢だったり、年頃の女の子の青春がたくさん詰まってる。そんな白川和子をさりげなく導くメンター社長殿山さん。孤独なおじいさんのエピソードは泣くしかない。カーセックスに君が代と旭日旗からませるセンス。背筋伸ばして君が代歌っちゃう高橋明、まだまだ戦後な時代。一升瓶抱いて孤独に泣く白川和子を私も抱きしめたい。ロマンポルノの名女優はたくさんいるけど、白川和子のからっぽな色気はやっぱり随一だった。急に現れるサイコパスな影山さんに惚れる。私の大好きな織田俊彦さん、ほぼほぼしょうもない役ばっかりなのにこんないい役だったことある??感激。ラスト5分まで本当に良い映画だったのに、最後のオールスター引退口上で現実に引き戻されてしまった。でもこの映画はこれがやりたかったわけで、うん。
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