みかん

セッションのみかんのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
3.5
名門音楽大学に入学し成功を夢みる生徒と、その才能を常軌を逸した過酷なレッスンで引き出していく教師の青春ドラマ。

高評価で話題になっていたので気になってたのですが、とにかく着地点が見えない驚きの連続でぐいぐい引き込まれていき、ラスト約10分は圧巻でした。

パワハラを法で裁いて社会的制裁を与えるとか、善悪の決着をつけるとか、それで済むような話ではなくて、ただひたすらに完璧な美を極限まで追求する2人の音楽の求道者の、歪んでいるけど真実の関係性に圧倒されました。

血と汗と涙の先に辿り着いた至上の美の瞬間。

お互いの存在がなければそこまでたどり着けなかったはず。

完璧な音楽を目指し、生徒に才能を発揮させるために鬼になるという揺るぎない信念を持つフレッチャーの容赦ない暴言や暴挙。

文字通り"血の滲む"努力で自分の才能を信じ、居場所を求め、成功を夢みてドラムに没頭し食らいついていくニーマン。

自分の誇りを傷つけられたら立ち向かっていく勇気や、怯まず実力で見返す惜しみない努力をする迫力がすごかったです。

全てを捨てて、狂気のレベルまで熱した魂をぶつけ合って音楽の美の高みへと上り詰める2人。

褒められると伸びるタイプの人とか、悔しさをバネにして頑張るタイプの人とか色んな人がいて、私は前者のタイプなのでこんなレッスン受けたら萎縮して即脱落しちゃうと思いますしw、パワハラを容認するわけでもないのですが、喜怒哀楽あるのが人間だから、「喜」「楽」だけでなく、「怒」「哀」も全部自分を成長させるエネルギーに変えられることを忘れないようにしたいです。


★名門音楽大学に入学した主人公ニーマンは、名指揮者フレッチャーのバンドにスカウトされ、これで成功に近づけると大喜び。
しかし、そこで待ち受けていたのは、天才を生み出すことに取りつかれたフレッチャーの常軌を逸した狂気のレッスンだった。ニーマンの精神はじりじりと追い詰められていき、、。
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