ベストセラー小説「火星の人」を映画化したユーモア溢れるSFアドベンチャー作品。
生命の存在しない極寒の砂漠地帯である火星。火星有人探査計画の任務に就く6名の宇宙飛行士達。それぞれの専門分野のスペシャリストが揃ったチームで個性的な面々が揃う。
その出来事は誰もが予想してなかった事態を巻き起こす。
気温-55度、最大風速400km/時、酸素なし、水なし、食料31日分、通信手段なし、次の救助まで1400日…
人類が未だかつて経験した事のない絶望の淵に立たされた宇宙飛行士の、火星ひとりぼっち生活が幕を開ける…
『地球から2億2530万km離れた火星にひとりぼっち。あらゆる現実が生存不可能を示していた。』
極限状態の中、絶望や悲壮感を感じさせず強靭な精神力と前向きでポジティブかつワトニーらしいユニークな発想とボキャブラリーで、魅力たっぷりの1人芝居を演じています。「インターステラー」でも惑星に1人取り残された役でしたが、今作でも同様な役を演じるとは映画ファンには堪らない設定ですよね。
実際の宇宙飛行士も不測の事態に備えメンタル面のテストも行っていますが、まさか自分がこの様な状況になるとは想像もしてなかったでしょう。
1人取り残されたマーク・ワトニー宇宙飛行士が、宇宙飛行士であると同時に植物学者とメカニカルエンジニアのキャリアを活かして、火星で生き延びる為の方法を考え、実行していきます。予告でもありましたが、家庭菜園的な事から始まり、更には科学的知識や植物学知識を駆使して人間が生きていく上で必要な物を作り出していく姿に、TOKIOのDASH村を想像してしまいますよね。
火星有人探査チームのメンバーに、リック・マルティネス役のマイケル・ペーニャの特徴を活かした憎めないキャラにも要注目ですよ。
今作で監督を務めたリドリー・スコットは、「エイリアン」で宇宙を舞台に恐怖と絶望を、「オデッセイ」では火星を舞台に希望と感動を与えてくれましたね。78歳と高齢ですが、今後も素晴らしい作品を世に送り出して欲しいものです。
挫折は過程であり、最後に成功すれば挫折は過程に変わる。成功するまで(生きて還る)諦めないだけ…