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コングレス未来学会議のKotaのレビュー・感想・評価

コングレス未来学会議(2013年製作の映画)
3.9
“ロクでもない選択しかできない。”

落ち目の大女優ロビン・ライト(ロビン・ライト)は難病を抱える息子の医療費のために、スキャンによるCGデータをスタジオに提供し自分の”キャラクター”を20年間渡す契約をする…。想像していたより何倍も壮大且つ難解な作品だった。面白い!

前半は実写、後半はアニメーションという造り自体も面白いし、実写からアニメーションに移り変わる道路のシーンは最高。前半の実写だけでも映画としてかなり面白くてそのまま続けてくれても好きだったと思う。特にミラマウントという明らかにミラマックスとパラマウントを文字っているスタジオが、欲に溺れて“映画”というものをどんどん虚構にしていこうとする様と、その驚くほどリアルな会話劇が見もの。

後半のアニメーションからはいきなり20年後に飛ぶこともあり、時代背景もかなり未来的に。結局CGスキャンによる虚構の映画も終わり、スタジオが次に発明したのはもはや映画というより幻覚によるトリップ。現実世界より虚構の中で生きる人々をこれまた“アニメーション”というツールで描ききったのが皮肉。今のハリウッド映画のグリーンバックで撮影したり、役者の顔をCGで合成する虚構の造形に異議を唱える姿勢がやりすぎなくらい溢れている。全体的に斬新すぎて長めの変な夢を見ているようだった…。
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