さちょむ

ジェイン・オースティン 秘められた恋のさちょむのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます


ジェーンの母は「愛というのは、そりゃ、あったほうがいい。でも、お金はなくちゃ生きていけないのよ」と言った。
ジェーンの父は「人の心を最も打ち砕くのは、貧しさだぞ」と言った。

駆け落ちしたジェーンとトム。
「ジェーン、僕を愛してるか」
「もちろんよ。でも家族を犠牲にする愛はもろいわ。本当よ。少しずつ罪悪感と後悔に蝕まれていくの」
駆け落ちすらも贅沢なのか。どれだけひもじくとも愛さえあれば、あなたさえいれば生きて行ける、一緒に生きようと言い合ったもの同士がそうするためには、残された家族が貧困にあっては叶わないのか。家族を捨てると言っても、見殺しにするようなことはできない。なんて辛いのかしら。
お金では手に入らないものもある。でも、お金無しには手に入らないものの、何と大きいことか。

ジェーン・オースティンがチェンバロの時代の人だとは。まだまだ女性の自立が難しい時代に、素晴らしい作品を残してくれてありがとう。
さちょむ

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