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ジェンダー・マリアージュ ~全米を揺るがした同性婚裁判~のピピンのレビュー・感想・評価

2.6
ドキュメンタリーの作りとしては少しシーンのつながりがよくわからないことがあった。けど、現実の要素を組み立てたらそうなるのも仕方ないのかとも。

カルフォルニアで2008年に同性婚が合法化されるも、数ヶ月後にそれを無効とする「修正第八条」が投票で可決。結婚していた同性カップルの婚姻届けは無効化された。個人の権利として結婚を支持する、思想の左右を超えた弁護団や人々が集まり、訴訟を起こして、見事権利を取り戻すところまでのドキュメンタリー。

裁判において、同性婚反対の立場からの主張が論理性を欠いていることや、感情先導なのが伺えた。判決では、同性間の結婚は「結婚の権利」に含まれているし、それを禁止するのは憲法違反とされた。それなのに、未だアメリカのいくつかの州では同性婚が禁止されているのが驚き。

日本の同性婚反対にもだぶる。日本でここまで大きなうねりはまだ感じられないけれど、反対しているのは感情的な根拠による一部の人だろう。

日本国憲法:第三章-第十二条「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」
政治の問題でもあるけれど、間接民主制の土台である一人一人の問題でもある気がする。

カルフォルニアにおいて、同性婚を禁止する修正八条は住民投票で可決された。政治参加のあり方も含め、いろいろと考えさせられるドキュメンタリーだった。
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