チェコ ソ連 ドイツ
占領 解放 追放
ストーリーは "霧" がキー
主人公であるアロイス・ネーベルの人生を描いています。
主な舞台は1980年代
そしてそこに、主人公がまだ幼かった頃の1940年代と思われる記憶がフラッシュバックとして挿入されてきます。
原作はチェコの漫画
映画は、ロトスコープ ( 俳優が演じた実写映像をセル画に写し取る ) という手法を用いて制作されたモノクロのアニメーションで、まだ『 チェコスロバキア 』という国が存在していた時代・・・ かつてドイツ人が多く居住し、ドイツと接している地域であるズデーテン地方の暗い歴史を題材にした作品です。
Nebel Leben
ネーベル レーベン
霧 人生
というように、主人公の名前はキーとなるドイツ語 "Nebel" と、それを逆から読んだ "Leben" をかけているとのこと。
モノクロ、そしてその濃淡で表したグレーがとても印象的。また、ロトスコープがとても活きている作品だと思いました。
そして、ストーリーは重苦しく感じ、終始暗かったです。
小さな駅で働く主人公のアロイスは、幼少期の記憶が "霧" が立ち込めるとよみがえり、そのトラウマに何十年経った今も悩まされています。
そのトラウマとは、
列車 ドイツ人の行列 そして...
つまり第二次世界大戦後、まだ幼かったアロイスが、ドイツ人がズデーテン地方から強制送還される様子を目の当たりにしたことを指しています。
原作は三部作なのですが、映画はそれを短くまとめたもので、私のこの時代に関する知識不足と読解力のなさを痛感しました。
ズデーテン地方の歴史を初めて知ったこと、また私の中でストーリーをつなげられず唐突に感じてしまう部分もあり、この作品をきちんと理解できなかったことが残念でした。
機会があれば、またぜひ鑑賞したいです。