ざきを

レヴェナント:蘇えりし者のざきをのレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
4.0
ここまでもただ"復讐"、それのみにフォーカスし、それ以上でも以下にも語らない作品は初めて。息子を殺された男の、妻を殺された男の、復讐劇。

アリカラ族に襲われ、グリズリーに襲われ、満身創痍、瀕死になりながらも復讐のために生にしがみつき、生き続けようとする姿。声が出なくても何かを伝えようとする目。こんなもん見せられたらディカプリオがアカデミー賞主演男優賞取って本当に納得。"迫真の演技"なんて、こんな安っぽい表現では表せないほどの凄い演技だった。

途中、「一度死んだ身だ」と言っていたけど、なかなか深いなと。妻を亡くし同胞を殺した時何かを亡くし、その時残った息子を仲間に殺された時に彼はさらに何かを亡くし、逆に何かを得た。復讐からは何も生まないけど、私には復讐という生き方しかないと言いたげな、そんな目をしていた。あの言葉は彼が失ったもの、得たものを全て表した言葉だと、私は思う。

画面から直接伝わるアメリカ北部の壮大さと、凍てつくような雪景色。ストーリーの壮絶さもさることながら、景色も申し分なく凄い映画でした。
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