Yoshishun

ルパン三世 ワルサーP38のYoshishunのレビュー・感想・評価

ルパン三世 ワルサーP38(1997年製作の映画)
3.7
“最もダークでハードなTVSP”

数年前に金ローによる人気TVSP投票企画で1位に輝いた作品。
その他のTVSPとは明らかに血色が違い、コミカルで面白可笑しい作風ではなく、ダークな世界観とハードな描写が目立つ。

タイトル通り、ルパンの愛銃であるワルサーP38に纏わる物語が展開されるが、まず宝探しどうこうよりも敵組織とのバトルロワイアル要素が強く、泥棒ものとしてはあまり面白くはない。しかしおちゃらけ過ぎていた作風からの脱却を図るためか、『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』の矢野博之監督を起用。監督のフィルモグラフィーはルパン以外はほぼ全てアンパンマンという異色の経歴を持つが、モンキー・パンチが共同監督を務めた前作の流れを踏襲してのこのハードボイルドルパンが作られたのだろう。

序盤から銭形が何者かに撃たれ、また敵組織も敵組織で血生臭い戦闘を好むタイプ。ルパン三世というコンテンツであんなに流血描写が見られるのも珍しい。それでも、ヒーローとしてのルパン像やビターなエンディング含めて、ルパン三世らしさもほんのりと残す。

最後まで違和感のあるキャラデザには慣れなかったものの、これが地上波で流された事実は結構衝撃的ではないだろうか。
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