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マルティニークからの祈りのバナバナのレビュー・感想・評価

マルティニークからの祈り(2014年製作の映画)
4.0
りんごまるさんからチョン・ドヨン繋がりでご紹介頂いたので鑑賞。
2004年、フランスのオルリー空港で韓国人女性が麻薬密売容疑で逮捕された事件の実話。

ソン夫妻は、夫が後輩の連帯保証人になっていたが、後輩がお金を返せず自殺してしまったことから、自分の自動車工場も手放し借金地獄へ。
住んでいた家も追い出され、資金繰りに困っている時に、夫の別の怪しい後輩から金の密輸話を持ちかけられる。
夫は頼りないと、内容を知らなかった妻ジョンヨンさんが、勝手にこの話を引き受けてしまい、フランスに到着した途端、空港で逮捕されてしまった。
裁判は4ヶ月毎らしいが、なぜかフランス領のマルティニーク島の収容所へ彼女は送られてしまう。

あれ、よく似た話を聞いたことがあるなと思ったら、日本でも、1992年に友人たちと旅行したグループが、マレーシアのクアラルンプールで、ガイドにスーツケースを盗まれたと取り替えられ、
オーストラリアのメルボルンに着いたら、そのスーツケースから計13キロのヘロインが見つかって逮捕された、という事件がありましたね。
一行のうち、ヘロイン入りのスーツケースを使用していた5人が逮捕され、刑務所に収監されてしまいました。
裁判中は、5人に片言の日本語が話せるオーストラリア人通訳が1人だけ付いたものの、なにせ片言なので全く役に立たず、あっさりと求刑されてしまったのだとか。
彼らが仮釈放で日本に帰れたのは、なんと2002年と20年後のことでした。

本作でもパリのフランス領事館に、韓国に残された夫が何度も連絡を取るが「書類が届いていない」の一転張り。
後に夫が直接パリで対峙した時も「上級公務員試験に受かった我々を信用しないのか。仕事を増やすな」とは、よく言えたもんだと思いました。
書類紛失の過程はフィクションなのかな? あんな封筒を開きもしないで廃棄なんてしてるの?
書類が届いていないにしても、紛失にしても、結局フランス側には渡ってないのだから、領事館で再申請、再発行の手続きをしてくれたらいいだけじゃないの?と思いました。
↑これ、まるっきりオーストラリアの日本大使館員にも思ったことですが。

本作のジョンヨンさんは約2年で母国に帰ることができたけど、日本は…。
上記のメルボルン事件は、私は『報道特集』で観た覚えがあるんですが、
まあメルボルン事件の方は、スーツケースを摺り替えたガイドが見つかっていないので、無実の証明は無理だったのかもしれないけど、
それにしたって日本人のペラペラの通訳を一人一人に大使館が付けたらんかい!と思いましたが。
そのせいで刑務所収容20年とは、余りにもひどい…。
韓国の方がマシだな、と思いました(汗)。
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