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子連れじゃダメかしら?のCisaraghiのネタバレレビュー・内容・結末

子連れじゃダメかしら?(2014年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

南アフリカのリゾート地サンシティで撮影されているという情報を知って、観てみることに。直前に観たノリウッド映画でサンシティを見たことがきっかけ。サンシティ、バッチリ映ってました。『10 days in Sun City』では、お金持ち向けのゴージャスなリゾートとして登場していたけれど、ここではファミリー向けの楽しいレジャーランド的側面が前面に出ていた。アメリカからは家族でパックツアーに行けちゃうような場所なんですね。

アダム・サンドラーとドリュー・バリモアの共演三作目だけれど、外さないですねー、この二人は。『子連れじゃダメかしら?』なんてB級以下のタイトルと、この安いジャケットデザインじゃ勿体ない。アダム・サンドラーがアメリカでどうしてあんなに人気があるのか、今度こそ腹落ちした感じ。ステップファミリーが珍しくないアメリカで、これはおそらく多くの人の身につまされる話。だから、二つの家族をうまくブレンドさせるという意味でBlendedというタイトルなのだと思うが…。

ドリューバリモア、さすがに少し年取ったなとは感じたけれど、キャラには変化なし。お母さん役もイケる。アダムサンドラーに至っては、ただのパッとしない小太りの中年男で、あまり元気がないところが妻をガンでなくしたお父さんという設定に無理なくはまる。そこに前2作の二人が重なることによって、登場シーンだけで既にしみじみした。
 それぞれの子供との関係や、相手の子供たちとの信頼関係、お互いの信頼関係を深めていく様を、エピソードを少しずつ重ねていくことによって描いていて、後から思えば、上手く行き過ぎ?と思う部分がないでもないけど、観ている間は白々しく感じることなく、ハッピーな気持ちで楽しめた。お喋りで埋め尽くされている映画で、そのセリフが、わざとらしくなく自然で笑えるからかな。できれば英語で何と言ってるのか知りたいが、アマプラには英語字幕が無いのが残念。

一方で、ここはどーなの?と思う部分も。変身するベラソーンが見ものではあるけれど、相手の男の子には、変身前からラリーを好きになって欲しかった気はする。変身前のラリーもすごく素敵だった。女性はセクシーな魅力を大胆に表現しないと目もくれてもらえない欧米あるあるか?
 男同士はスポーツでコミュニケーションを図る、というのも紋切り型。アメリカのお父さんは、誰でもあんな風に野球やボクシングの的確な指導が出来るものなのだろうか?というのは素朴な疑問。総じて、アダムサンドラーが一生懸命真摯に子育てしているお父さんという以外の人となりがよくわからない。
 これが反対で、ドリューバリモアに娘、アダムサンドラーに息子だったら、もっと難しかったんじゃないかと思わせるあたり、都合のいい設定ではある。
 あと、フロド・ブレンダンはリアルに心配…今後はジムがいるから大丈夫?だといいのだけど。

それと、しばしば登場する胸筋おじさんとチーム・タトゥーは必要だったのかな?無理矢理アフリカ感を出すためだけの投入のようにも思える。その割踊りも音楽もアフリカっぽくなかったし、そんなに笑えなくて、映画を冗長にしていただけのような。サバンナの中のリゾート、サファリパーク、雄大な景色、魅力的なロケ地というだけでよかったのでは。パックツアーなんてそんなものなのだから。
 年の差バカップルは下品だけど笑えて、最後はまんまとウルッとさせられた。

一番よかったのは、次女のエピソードかな。Over The Rainbow はさすがにちょっとあざといけど泣けるし、その後のジムのリアクション、ここがこの映画で一番好きなセリフかも。これと3秒ルールはアダムサンドラーのアドリブじゃないだろうか?

最後のアタムサンドラーと子供たちの歌、"What Do You Love", I love it.

アフリカ以外は、主にジョージア州ブフォードで撮影されてる。歴史的ダウンタウン、ジムのスポーツ用品店があるザ・モール・オブ・ジョージア、レイクラニアー・アイランド・レガシーリゾート等が登場。最初のデートは、ブフォードから南15㎞程のところにあるローレンスヴィルのフーターズ、野球場は、同じくジョージア州のラニアー湖に面したフラワリー・ブランチの、チェスナット通りにあるフォーシーズンズ・ボールパーク運動競技場と思われる。
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