メイマーツインズ

悪童日記のメイマーツインズのレビュー・感想・評価

悪童日記(2013年製作の映画)
4.1
【隠れた傑作⁉︎シリーズNo.35】

《僕らは書き記す。この眼に映る真実だけを》

ハンガリー・ドイツ合作の戦争映画の問題作!
”異端の鳥〟を観て、この作品を思い起こし…。U-NEXTで再鑑賞。

これは戦時下で自ら”悪童〟となり、逞しく生きる双子の兄弟の物語。
原作の映像化は不可能といわれていただけあって、観る者を選ぶ過酷で無慈悲な展開…(汗)
双子はユダヤ人ではないため、ホロコーストを双子の視点で客観的に描いてあるのは新鮮だ。

第二次世界大戦末期のヨーロッパのある国。
双子の兄弟は母方の祖母の家に疎開されることに。祖母は個性が強く、地元で”魔女〟と呼ばれていた。
そこで双子を襲う不条理の世界。
双子は決心する。

絶対に強くなる‼︎

暴力に負けない訓練、空腹に負けない訓練…
そして最後の、別れに負けない訓練。

両親と約束した日記に、淡々と真実だけを書き記す2人。
冒頭で幸せな家族をイメージさせるので、戦争で心がバラバラとなっていく家族の姿は痛ましい。
戦争は無情にも家族の姿かたちをも変えてしまうのだ。
そして…日記を締め括る衝撃的なラストシーン。

2人に明るい未来はあるのだろうか…

明確な心理描写はなく観る者の想像力を掻き立て、読書後のような余韻が残る。
独特の世界観と映像センスに魅了され、”異端の鳥〟のように殺伐とした空気感の中にも美しさを感じさせる作品。
あらためて、うちの双子にもっと愛情と時間を注ごうと思わされました…(苦笑)