8さん

ブラック・スキャンダルの8さんのレビュー・感想・評価

ブラック・スキャンダル(2015年製作の映画)
4.0
1970年代アメリカ史上最悪の汚職事件を豪華キャストで映画化した至極のノンフィクションクライムドラマ作品。

1975年、FBI捜査官となったジョン・コノリーは数年ぶりに生まれ育った故郷である南ボストンへ戻ってくる。FBIボストン支局では、南ボストンに巣食うイタリア系マフィアの一掃を目標と掲げ捜査に力を入れていた。

野心溢れるジョンは、アイルランド系ギャング「ウィンターヒル」のボスであるジェームズ・ホワイティ・バルジャーにある取引を持ち掛ける。何故FBI捜査官がギャングのボスと繋がりがあるのか?ジョンはジェームズの弟である上院議員ビリー・バルジャーと親友関係にあり、3人は幼馴染という過去があったのだ。

欲が欲を生み、正義は悪に、悪は極悪に、人間の欲望が人生を奈落の底に突き落としていく…


『暴かれる!FBI史上最も黒い闇』


時に欲望は人の倫理観を崩し、腐敗を創り上げてしまう…

様々な思惑が渦を巻く人間模様に加え、禿げ頭オールバックな出で立ちで圧倒的な存在感を放ちながらジェームズ演じるジョニー・デップの、いつ爆発しキレ出すか分からない闇の迫力には心惹かれ目を奪われてしまうでしょう。

ジョン役のジョエル・エドガートンも良いのですが、個人的にはジェームズの側にいつも居たケヴィン・ウィークス役のジェシー・プレモンスに視線が向いてました。ブリッジオブスパイにも出演していましたが、脇役以上のどっしりとした演技と存在感は素晴らしいです。

住む世界が違う男達の密約の元に再び築かれた交友関係は、法の手の届き難いボストンの裏社会に埋もれ、今日も息づいている…
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