垂直落下式サミング

グレート デイズ! 夢に挑んだ父と子の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

2.5
失業した父親が身体障害者の息子とともに、過酷なトライアスロンに挑戦するおはなし。
今まで家庭と向き合ってこなかった父親が目標を見つけたことで家族と絆を取り戻してゆくとあるが、それにしても終止お父さんのみに負担を請け負わせているように感じるは気のせいだろうか…。
車椅子の息子がただのワガママ坊っちゃんにみえるし、お母さんも職を失った夫に対して嫌に辛くあたるなど、極めて類型的な人物配置に思える。家族の絆というのなら、よってたかってお父さんのみに肉体的負担を強いずにもう少し分担できないもんかと。
主人公たちの自己実現は否定しないが、結構な頻度で足を引っ張るくせにヘラヘラしてる息子にイライラ。動けないんだからせめてじっとしててくれ。自分の中にある無自覚な身体障害者への差別意識みたいなもんに変化球的な角度で向き合わされるし、ストーリーから特に得るものもないので、実に不健康な鑑賞となった。
フランス映画なのかー。構造的には凡百の難病ものと何も変わらねえ。登場人物に負荷をあたえることで涙させようとする安直な量産型感動プログラムピクチャーというジャンルは、どこの国にもあるのねってことがわかる。21世紀的涙エクスプロイテーション。