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ロンドン・リバーのkuskusのレビュー・感想・評価

ロンドン・リバー(2009年製作の映画)
4.0
ストーリー:悲しい出来ごとに直面した二人の孤独な魂のゆくえを描く

舞台は、2005年、北ロンドンのイスラム教徒の多い地域。
ロンドンで3つの地下鉄とバスで同時自爆テロが勃発。4人の首謀者を含む56人が死亡し、さらに700人以上が負傷した。

オスマン:敬虔なイスラム教徒。ニレの木の保護に人生の多くを捧げ、穏やかな西アフリカの森の人。思慮深くストイック。パリで生計を立てるためにアフリカを離れ15年間息子に会っていない。アフリカに残した妻からの連絡で息子の行方を探すように哀願される。息子を探すため海峡を渡って旅を始める。

エリザベス:イギリスのカンジー島で小さな農場を持つ。プロテスタント、フォークランド紛争で夫を亡くした。行方不明の娘を探しにロンドンへ。仲が良いと思い込んでいた娘の知らない面を知り、怒り、偏見、恐怖がエリザベスを襲う。

この物語には共通の悲しみに直面した二人の孤独と、運命的な出会いについて描かれている。
民族、宗教、人種的不寛容、テロによるイスラム恐怖症は、文化的分裂を起こしたが、異なるバックグラウンドを結びつける可能性もあると言う温かい描写に感動。
特にオスマン役の俳優の目の奥にある禅と、静かで深みのある瞳は演技を際立たせていた。
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