YUMI

フットノートのYUMIのレビュー・感想・評価

フットノート(2011年製作の映画)
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もっと重苦しい映画かと構えながら見始めたのですが、意外とコミカル、とまでは言わないけど、テンポが良くて観やすかったです。
同じジャンルの学問を志す父と息子。しかし頑固一徹で要領の悪い父とは正反対の息子。
運命は残酷というか、アカデミズムの闇のいうか、父親が20年も目指し続けた大きな賞を、息子の方が先に受賞してしまう。
しかし更に厄介な事に、簡単な手違いで、父が受賞した事になってしまう。
父は受賞の知らせを受けても冷静さを装っていたけど、内心は舞い上がりまくってたんだろう。
そんな父の気持ちを誰よりもよく知っている息子が、本当に受賞したのが自分だと知った時から苦悩が始まる。
息子は自分の学者生命を犠牲にしてでも、父が受賞した事にしようと働きかけるのですね。この時、父を嫌ってるエライ教授に食ってかかる息子の様子は、ホントにカッコいいと言うか、いい親子なんだなーと感じました。
しかし、子の心親知らずとでもいうのか、父は平気で息子の研究を公然と批判したりする。
でも、父は父で、文献研究者らしい手法で、真実を知ってしまうのですね。
いよいよ受賞式。さてどうする父ちゃん!って所でプツンと途切れるみたいに映画は終わるのですが、父の複雑な表情が、とでも印象的でした。
それにしても、他の方も書いておられますが、あのグロスマン教授のデコと頭のシワ、凄かったですね。頭に亀乗ってるのかよ!ってツッコみたくなりました。
あと、家族で鑑賞してたミュージカルが「屋根の上のバイオリン弾き」で、昔これ観に行ったなあと懐かしく思い出して、それも嬉しかったです。
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