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アメリカン・スナイパーのkuuのレビュー・感想・評価

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
4.3
『アメリカン・スナイパー』
原題American Sniper.
映倫区分R15+.
製作年2014年。上映時間132分。

クリント・イーストウッドが、米軍史上最強とうたわれた狙撃手クリス・カイルのベストセラー自伝を映画化(本物のクリス・カイルは、2013年2月2日、心的外傷後ストレス障害P.T.S.D.などの精神的問題を抱えていたとされる退役軍人を助けようとした際に、射撃場で殺害されました。)。
イーストウッド監督とは初タッグのブラッドリー・クーパーが、主演兼プロデューサーを務めた。

米海軍特殊部隊ネイビー・シールズの隊員クリス・カイルは、イラク戦争の際、その狙撃の腕前で多くの仲間を救い、レジェンドの異名をとる。
しかし、同時にその存在は敵にも広く知られることとなり、クリスの首には懸賞金がかけられ、命を狙われる。
数多くの敵兵の命を奪いながらも、遠く離れた米国にいる妻子に対して、良き夫であり良き父でありたいと願うクリスは、そのジレンマに苦しみながら、2003年から09年の間に4度にわたるイラク遠征を経験。
過酷な戦場を生き延び妻子のもとへ帰還した後も、ぬぐえない心の傷に苦しむことになる。。。

なぜ人間は
殺し続け、
戦争をし、
国を破壊し、
生き残った兵士の心を怯えさせ、
機能不全にしちまうのか。
前世紀から現在に至るまで、近代的戦争で長期にわたる戦闘を経験してきたはずの人類にとっては、このような疑問に対する答えは見つからへん。
しかし『戦争』ちゅう傘の下で人が人を殺すのを見るという薄気味悪い題材にもかかわらず、このような作品は我々の目を戦争の哀れさに向けさせるかな。
クリス・カイル、
スコット・マキューエン、
ジェームズ・デフェリスの著書に記された真実の出来事をジェイソン・ホールが脚色して、すべての事実をもとに、クリス・カイルが160人を殺害した海軍特殊部隊のスナイパーとしての4回のイラク遠征を凝縮したストーリーを作り上げた。
(本と映画の違いは、クリス・カイルの最初の派遣時には、彼は狙撃訓練を終えておらず、海軍の訓練に特化していただけだったということ)
その結果、我々は男の魂にあるモラルと、精神の劣化を目の当たりにすることができた。
今作品は、個人的には何度となく見るべきであると思う作品です。

クリス・カイルはテキサス出身で、ロデオ・カウボーイを目指していたが、30代になって、自分の人生には何か別のものが必要だと気づいた。
自分の本当の才能を表現できるもの、アメリカのテロとの戦いに役立つものが必要だと考えた。
9.11の後、彼はスナイパーになっためにSEALsに参加。
タヤと結婚した後、カイルと他のメンバーは初めてのイラク遠征に招集される。
カイルが苦悩するのは、任務ではなく、戦争の現実との関係であり、帰国後、都会での生活、妻や子供との関係にどう対処するかである。

誰にとっても良い結果にはならない。 クリント・イーストウッドの演出は鋭く、一歩も見逃さへん。
ブラッドリー・クーパーは驚くべき好演で、この駆り立てられた男のすべての側面を見ることができると思います。
ビグルス役のジェイク・マクドーマン、
マーク・リー役のルーク・グライムス、
ムスタファ役のサミー・シーク、
アル=オボーディ師役のナヴィド・ネガーバン、
ジョナサン・グロフ、
コーリー・ハードリクト、
キーア・オドネルなど、
多くのキャストが心に響くキャラを演じています。
撮影は見るのが困難なほどリアルで、モロッコのロケーションも気になるほどリアルやったっす。
この映画は、何度みても、見終わった後眠れないほどの感動が個人的にはあります。
一部の批評家からジンゴイスティックなプロパガンダとして否定された本作品はそないな見方も出来ないことはないけど、ジンゴイズムやパトリオッティズムなんか抜きで見れば心は動かさかれる。
kuu

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