YUMI

裁かれるは善人のみのYUMIのレビュー・感想・評価

裁かれるは善人のみ(2014年製作の映画)
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時間と体力のある時にしか観てはいけない作品で、確かに胸糞映画ではあるけど、私は他の人達とは違う所にムカツイたので、その事を書きます。
ロシア正教の歴史とか、ロシアの現状とか、難しい事はよくわからないし、確かにあの金満市長も悪どいけど、何より理解出来なかったのは、あの弁護士と、主人公の妻リリアのした事です。
夫が、というより家族が大変な時、しかも夫が理不尽に勾留されている時に不倫ですか?
ホテルのレストランで食事してると思ったら、いきなり部屋へ行ってそういう事になっちゃたシーンには唖然としました。
え?この二人、前から知り合いだった?で、密かに想い合ってたの?とも思ってしまうほど唐突にで、こんな短期間にそういう関係性に陥るなんて、トンデモない裏切り者と尻軽女だなと。
しかも、友人の誕生日祝いのバーベキューやってる最中にまでアオカンですか?お互いの子供も来ている場所で……。
そりゃ確かに前妻の子は懐かないし、家も失いそうで、次に住めそうな所はあんなみすぼらしくて狭いアパート、いっそこの街を出たいという願いも夫は聞いてくれそうにないなどなど、ストレスは溜まってだろうとは思いますけどね。
途中、息子のロマが叫ぶ「全部この女が悪いんだ」って言葉は的を射てたしたね。
主人公は後妻なんか迎えずに、息子と二人で暮らしてた方が良かったんじゃないですか。結果論ですがそうすりゃ少なくとも妻殺しで服役させられることもなかったんだし。
リリアだけじゃなく、弁護士の行動も理解不能。リリアとの関係がバレて主人公に殴られた翌日、あの不気味な市長の誘いに乗ってホイホイついていくって、警戒心なさすぎでしょ。
案の定、市長の手下にフクロにされて、怖気付いてモスクワへ逃げ帰っちゃう。弁護士なら市長を暴行罪で訴えて、さらに足元すくってやるくらいの気概を持てよと言いたい。
結果としてリリアは彼に捨てられたわけですが、むしろこの時、弁護士がリリアを連れて逃げてくれたら、少なくとも主人公は妻殺しの罪には……って、クドいですねw ww
まー、こんな究極のサゲマン女と再婚したのが主人公の運の尽きで、こいつと結婚してなかったら、家や土地を奪われる事態にもならなかったんじゃないのかなとすら思ってしまいます。
市長の画策と、あの二人の裏切りとは全く無関係ですからね。
で、そのリリアは本当のところ、誰に殺されたんですかね?観てたら最初は自殺だろうと思ったのですが、夫である主人公に、まず友人達から疑惑の目が向けられ、あっという間に懲役15年。
深読みすれば、市長の手下にやられたのかも、とも想像できますが、真相は観客にも明らかにされず、胸糞な上に、なんかモヤモヤが残る作品でした。
あ、でも、このひたすら暗くて重くて寒そうな映像の雰囲気は好きで、特にロマが一人で泣いてるシーンの向こうにあった巨大なクジラの骨(?)は、恐ろしくもあり美しくもありで、とても印象的でした。
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