安堵霊タラコフスキー

受難のジョークの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

受難のジョーク(1968年製作の映画)
3.7
プラハの春とかの政治的運動が盛んになっていた時代のチェコらしい映画で、そういう政治的問題にほぼ無関心な身として内容はそこまで響かなかったし映像に痺れることもそんなになかったけど、散見されるいくつかの大胆なジャンプカットや三人称視点と一人称視点の転換、過去の回想と現在を行き来させるような展開といった手法は難解を生みつつも面白いものだった

ラストも自分を含めた仲間とそれ以外の人物との隔絶が感じられる遣る瀬無いものになってて、それまで炭鉱のシーンくらいしか映像自体が強く印象に残るものがなかったと思っていたけど最後で挽回する演出がやって来て後味は良かった

あと結構内省的な話でもあったからミラン・クンデラの原作の方ものめり込めそうで見つけたら読みたくなった