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エンジェル・オブ・ウォーのeのレビュー・感想・評価

エンジェル・オブ・ウォー(2012年製作の映画)
3.5
これはウクライナのドラマで全4話のDVD2巻組ですが、現時点で誰も見ている人がいないというマイナーさでよく日本語字幕版を出したなと。ウクライナのドラマで2枚組という時点で手を出すハードルはかなり高い(笑)。舞台は第二次世界大戦中、ドイツ軍に占領されているウクライナのある村のお話、という設定に一体どのくらいの人が興味を持つのか謎ですが、興味を持てる人なら意外にもこのドラマはまずまず楽しめます。

話は、ウクライナに存在したというナチスが人体実験を行っていた子供収容所から一人の子供が逃げ出し、その子を巡るパルチザン、ウクライナ補助警察、ナチス親衛隊の三つ巴のお話しです。DVDのジャケが如何にもおどろおどろしい収容所の人体実験風ですが、はっきり言ってこれは詐欺(笑)。全編、寒々しいウクライナの村と森林地帯が舞台です。

子供を巡る話や若干絡んでくる恋愛模様なんかはまぁドラマということでそんな面白くもないんですが、このドラマを観ようという人が興味を寄せる部分はやはりナチス占領下の村の状況ではないでしょうか。村ではウクライナ補助警察がナチスの忠実な手下となり治安警備にあたっており、森ではパルチザンが暮らしながらゲリラ活動を行っている。そして親衛隊はやはり極悪非道に描かれています。上級将校の制服には「SD」(親衛隊情報部)のワッペンがつけてあったりなかなか芸が細かいです。住民はもちろんナチスに反感を持っているわけですが、一方ではソ連の集団農場で家族を餓死させられた話なども出てきて、ドイツとソ連に挟まれたウクライナという国の悲哀が伝わってきます。個人的には、日本ではマイナーな飲み物であるシュナップスが、酒といえばシュナップスという感じで登場していて良かったです笑。

戦闘シーンやその他諸々あくまでドラマのレベルですが、この辺に興味ある方は観て損はないかと思います。
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