CureTochan

映画 ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナのCureTochanのレビュー・感想・評価

4.0
もうキッズとプリキュア映画に行くこともなくなったが、再鑑賞は時々している。この映画には、めちゃめちゃいいシーンが2つあって、もうそれだけで高得点にしたい。いずれも女が怒っているシーンだ。そういえば、宇宙もの映画の「パッセンジャー」の芝居のピークも、キレたジェニファー・ローレンスだった。駄作のキャプテン・マーベルでも良かったのは似たシーンだった。あ、ファインディング・ニモでもザリガニにキレたドリーは面白かった。女の怒りが好きなのは私のMっ気だろうか。気持ちの表出はドラマの基本ではある。

1つ目は、恋していた王子様が人間じゃないとわかった衝撃。氷川きよしを追いかけていたおばあさんが、突然の女性化で元気をなくしたみたいな話である(こういう老人すごく多いと思う)。次が、悪者のあまりにも酷いやり方に、このド外道が〜!とばかりに、静かにブチ切れるキュアハニー様のセリフ。あくまでも優しい口調が逆に怖くて素晴らしい。リピート必須。

いいシーンを作るには共感を呼ぶ演出が大切だ。シナリオと役者に加え、監督はよくやった。動きも良かったし、大河ドラマの演出家は見習ってもらいたい。この年のプリキュアは、テレビ本編の方は駄目だったが、映画は別スタッフがやるのでクオリティが逆になるのは、ニチアサあるあるだ。ハートキャッチとかスマイルプリキュアは、映画が残念なほうだった。ちなみに話は逸れるが、史上最高のプリキュアはむろんキュアハートである。声が一番可愛いプリキュアはキュアハッピーである。

こんなふうに気に入ったシーン一つで、高得点をつけたくなるし、ストーリーの完成度とか度外視になる。というかストーリーなんて台本だけの、映画のほんの一部でしかないし、完成度もまた一つの美点にすぎないのだ。そこしか見てないなら台本だけ読んでればいい。いずれにせよエンタメは、テンションを上げ日常を忘れるためのもの。ハリポタは、恵まれない子供を励ますためのものだった。

結婚する相手を選ぶときも同じように、テンションが上がるポイントが大事だ。人が結婚する気になったとき、相手の美点が少なければ少ないほど、その一点の価値は高い。それを足し算したりして、無理やり結婚するのは失敗の元。減点法なんてやりだしたら、もうその相手は忘れたほうがいい。初めから見ないほうが良かった映画のようなものだ。
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