ぶみ

ゲッタウェイのぶみのレビュー・感想・評価

ゲッタウェイ(1972年製作の映画)
3.0
マックイーン+ペキンパー、この映画界最大の2人が全世界に叩きつける血のバイオレンス・アクション!

ジム・トンプスンが上梓した同名小説を、サム・ペキンパー監督、スティーブ・マックイーン主演により映像化したクライム・アクション。
釈放の見返りとして銀行強盗を命じられた主人公が、金を持って逃走する姿を描く。
主人公となるドクをマックイーン、ドクの妻であり犯罪の相棒でもあるキャロルをアリ・マッグロー、ドクに銀行強盗を命じた裏社会の大物ベイノンをベン・ジョンソンが演じているほか、サリー・ストラザース、アルフレッド・レッティエリ等が登場。
物語は、ドクが刑務所から釈放されるシーンでスタート、銀行強盗を行った後、奪った金を待って追っ手から逃げるドクとキャロルの姿が描かれるが、1970年代前半の作品らしく、現代のようなヒリヒリとするような緊張感はなく、強盗を実行するシーンも、そんな簡単に奪えるのかと思わせるほどユルユル。
以降、メキシコへ逃れようとテキサス州の国境の町エルパソを目指すこととなることから、クルマや鉄道(アムトラック)を乗り継いで行く様はロードムービーテイスト。
そして、要所要所でカーチェイスや銃撃戦が繰り広げられるのだが、そこはバイオレンスな作風が持ち味のペキンパー監督らしく、スローモーションや派手目な演出が目を引く反面、いかにも血糊然とした出血には、些か興醒めした次第。
また、後に数々の作品でメガホンを取ることとなるウォルター・ヒルが脚本としてクレジットされていることや、本作品をきっかけにマックイーンとマッグローが結婚したというのも面白ポイント。
全体的に漂う大味なテイストは、70年代ならではのものであり、アメリカ特有の乾いた空気で土埃が舞う中の逃走劇(ゲッタウェイ)はロードムービー好きならハマること間違いなしであるとともに、ゴミ収集車の件がツボった一作。

手を携えて生きてこそだ。
ぶみ

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