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サケボムのkuuのレビュー・感想・評価

サケボム(2013年製作の映画)
3.5
『サケボム』
原題 Sake-Bomb.
映倫区分 R15+
製作年 2013年。上映時間 82分。
実力派俳優・濱田岳が、アメリカを舞台に初めて全編英語のセリフにも挑んだ日米合作青春ロードムービーアメリカ・日本合作。
渡辺裕之、でんでんら、日本人俳優のベテラン勢が脇を固める。監督は、ロサンゼルスを拠点に活動し、岩井俊二監督作や紀里谷和明監督作にも参加した新鋭サキノジュンヤ。

創業300年の老舗酒蔵で働く青年ナオトは、自分を振って帰国してしまった元恋人オリビアに会いに行くため、単身アメリカへと渡る。
ひょんなことから日系アメリカ人の従兄弟セバスチャンと一緒に旅することになったナオトは、ひねくれ者のセバスチャンとぎくしゃくしながらも、次第に心を通わせていく。

嗚呼、濱田岳好きだなぁ。
最近は連続ドラマばかり見てて、あえて感想まではとは思いフィルマークスから遠ざかってますが、濱田岳主演のドラマは疫病神シリーズや『フルーツ宅配便』、そして先日はテレビ東京系列『じゃない方の彼女』ってのも見ましたが、正直、全て同じスタイル、実際の私生活でもあないな坊っちゃん然なんかなぁと思う濱田岳やけど憎めない、いや、愛せるキャラなんですよね~愛らしさの中に秘めたど根性やら強さも垣間見れるし個人的には邦画にはなくてはならないかな。
今作品の冒頭で、濱田岳演じる直人は、酒蔵の工場社員として紹介されます。
直人は、東洋文化の伝統的な価値観に則った、無邪気なキャラとして描かれている。
直人は、親方から会社を継いでほしいと云われ、1週間以内に
『やらなければ後悔するようなことをやれ』と注文つけられる。
今作品は、『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』みたいな、第4の壁を壊すような映像美を駆使した作品かなぁと感じた。
今作品は、東欧のインディーズ映画でよく使われる強いテーマと問題意識を持っているけど、プロットラインには欠けるところが多少あったかな。
82分という時間の中で、登場するナオトとセバスチャン、彼らの旅路を追うことで、登場人物たちの感情的な旅路が描かれています。
筋書きは最初から最後まで予想がつく濱田岳節。
全く異なる意見とライフスタイルを持つ2人の従兄弟が、互いを認め合い友情を持つ。
セバスチャンは直人にアメリカ文化に馴染むよう促すが、2人は予想通り別れ、その後、物語の進行とともに文化の衝突を受け入れ始め、再び再会し友情が生まれる。
技術的な面では、今作品はインディーズ映画として良い面構えをしているかな。
しかし、撮影を通して視覚的な楽しみを十分に与えられていないのは否めない。
また、被写体を中心に据えた静的な中間のクローズアップのフレームを多用することにこだわり、82分後には少々飽き始めていた。
時折、スローモーションや被写界深度の深い2ショットなど、視覚的な要素を織り交ぜた演出もありました。
映像は鮮やかで深い色彩を持ち、視覚的に楽しいのですが、プロットがメチャクチャよいってほど魅力的でないため、必要なかったんちゃうかな。
全体的なプロットやテーマ、問題提起が、我々が知っているものに偏っているため、すべての面で要素が足りなかった。
しかし、映画のコンセプトを理解するために、セリフやストーリーを聞き逃さないように常に意識するよりは、ひねりもなく、濱田岳をのんびりと見ることができたので、この映画を楽しむことができた。
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